後見人さん、晩ご飯買ってきてくださ~い。
成年後見制度を使うといくらかかるのですか?
成年後見制度の相談を受ける場合に必ず聞かれる質問が成年後見人の報酬に関する質問です。成年後見人が親族の場合(例えば父の後見人を娘が務める場合)には無報酬で行うことが多いと思いますが、相続や保険金請求などの法律問題がかかわる案件や、単に財産が多い場合には、裁判所は親族ではなく、研修を積んだ専門家(司法書士・弁護士・社会福祉士)を選任する傾向があります。現在全国の家庭裁判所に申し立てられる成年後見人選任事件において、専門家などの第三者が後見人を務める案件は全体の57.8%に及んでいます(平成25年の数値)。そもそも親族に後見人をやらせず、専門家を選任する理由については、前回のコラム「市民後見人について取材を受けました」をご覧下さい。
成年後見人の報酬には目安があるのです
専門家が成年後見人になった場合には報酬をいただくことになります。報酬の目安は青森家庭裁判所のホームページに、目立たないですがきちんと掲載されています。
それによれば、成年後見人の月額基本報酬は2万円です。また管理する財産が1000~5000万円であれば月額3~5万円となっています。また相続などの特別の法律問題を解決した場合には、別途加算報酬があります。ただ、本人の財産が少ない場合には、月額1万円になったりと、本人の収支バランスを考えて、裁判所が報酬額を決定します。また、この報酬は1年間働いた分として、1年ごとに支払われることになります。
この報酬は誰が支払うのですか?
この成年後見人の報酬は誰が支払うのかですが、これは本人の財産から支弁されます。他の人(配偶者や子ども)に請求されることはありません。本人の財産がなくなった場合には、成年後見人の報酬はないこ(ボランティア)とになります。生活保護を受けている方の成年後見事件は市町村が後見人の報酬助成を予算立てしていることが多いので、市町村から頂くこともありますが、原則本人の財産から裁判所が決めた報酬額を頂くことになります。
親族の方からすれば、高い報酬だと思われるかもしれません。ただ成年後見人を務める私たちからみれば、他人の財産を預かるという大変責任の重い仕事ですので、その対価として報酬はいただくことになります。私たちもその報酬に見合った働きをしなければならないと考えています。