一升餅と1歳の誕生日
今日は入れ歯のお話を少しさせてください。皆さん総入れ歯ってどのくらいの大きさなのか知っていますか?人の顎の大きさによって違うのですが、大体6cm四方ぐらいあります。これってお醤油の小皿ぐらいあるんですよ。これを入れて食事をするのは、実はすごく大変なんです。入れ歯のことを専門用語で義歯といいます。義眼や義足、義手と同じで義歯を使っても失ってしまった機能を全て取り戻せるわけではありません。なぜ大変かというと、一つは大きさです。最初にお話ししたように、これだけ大きなものが口の中に入りますので慣れるまで時間がかかります。嘔吐反射(オエッとなること)の強い人はさらに大変です。それから総入れ歯は外れやすいということです。これを外れにくく作るには、その人に合った形があります。患者さんは小さいほど違和感が少ないのですが、小さくすると外れてしまって食事ができません。大きすぎてもだめなのですが、ある程度の大きさが必要になります。そして最後に入れ歯は沈むということです。自分の歯であれば沈み込んでいくことはありません。でも入れ歯は柔らかい歯茎の上に乗っていますので、噛むと沈んでしまいます。沈み込むと傷になってしまい、痛みで食事ができなくなってしまいます。残っている顎の骨の量や歯茎の形などによって、どのぐらいの硬さの物を食べられるかも違ってきます。今日お話ししたいことは、「入れ歯を入れればいいや」と思わないでください、ということです。残念ながら総入れ歯になって困っている方は、大きさと形を一度見せてください。もう少し噛める形態を一緒に探していきましょう。
武蔵哲貞
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