「決算書だけでは危険!銀行が疑う“現金と在庫”の落とし穴」

居谷謙祐

居谷謙祐

テーマ:銀行取引の仕方

「銀行に融資を申し込んだら“金庫の写真を見せてほしい”と言われた」──そんな話を耳にすることがあります。
実は銀行は、決算書に載っている数字をそのまま信用しているわけではありません

特に「現金」と「棚卸資産」は会計処理の自由度が高いため、実態を疑われやすい科目なのです。

たとえば、帳簿上で現金残高が過剰に多いと「本当に存在しているのか?」と警戒されます。
預金口座に入っていれば通帳や明細で裏付けられますが、現金のままでは疑念を招きやすく、融資判断に悪影響を与えることもあります。

同じように棚卸資産も、自己申告に頼る部分が大きく、過大に計上されていると「数字を盛っているのでは」と見られます。
裏付けとして仕入明細や在庫管理資料を準備しておくことは、融資を通すための大切な信頼材料です。
さらに、計画的に在庫を減らし、棚卸資産回転率を改善すれば「効率的な経営」と評価される可能性もあります。

銀行が本当に見ているのは「数字そのもの」ではなく、「数字の背景」と「説明力」
です。
だからこそ、決算書を“ただ提出するだけ”ではなく、裏付けや改善策を添えて伝えることが、融資を引き寄せる近道になります。

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居谷謙祐
専門家

居谷謙祐(資金調達・財務コンサルタント)

株式会社ライフクリエイト

専門用語を使わず、社長と同じ目線で「数字」と向き合うのがモットーです。 資金調達、決算書を解析した強みの発掘と弱みの補填など、数字の裏にある可能性を引き出します。

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