コロナ融資が足かせに――中小企業が今すぐ考えるべき5つのこと
目次
決算書をチェックしていて「代表者貸付金」という項目、見たことはありませんか?
もしくは、「なぜうちの決算書にこれがあるのかよくわからない…」と感じたことがある方も多いはず。
実はこの“社長貸付金”、銀行融資においてはかなり評価が下がる項目のひとつなんです。
特に「銀行に融資を断られた」「信用格付が下がった気がする」と感じている経営者の方は、一度チェックしてみてください。
■ なぜ社長貸付金があるとマズいの?
結論から言うと、「会社のお金(融資)が社長の個人的な資金に使われている」と見られてしまうからです。
銀行や信用保証協会の立場からすると、こう見えます。
・「融資金が事業に使われず、社長に流れてる?」
・「社長が生活や遊びで使ってしまった?」
とくに信用保証協会は、代表者貸付金が計上されている会社を極端に嫌う傾向があります。
せっかく利益が出ていても、「資金繰りが不透明」と判断されれば融資審査に影響するのです。
また、役員報酬があるにも拘わらず私的流用があるということは、実態は営業損益からマイナスだけど
その具体的な金額を不透明になるという考え方もあります。
■ そもそも、なぜ計上されてしまうのか?
意外と多いのが、「無自覚で社長貸付が発生している」ケースです。
たとえば…
・法人成り時に個人資産と会社資産を整理できていなかった
・決算時の使途不明金を“とりあえず”貸付金に計上してしまった→領収証の紛失など
・社長が私用と会社の口座を混同して支出していた
…など。
特に「決算書の見方」に慣れていないと、貸付金が何を意味するのかすら分からないというケースも。
■ どう対処すればいいの?
まずは毎月、月次試算表をチェックして「社長貸付金」が増えていないかを見ることが大事です。
そして、顧問税理士にはしっかりと「この項目は計上したくない」と伝えておくこと。
すでに計上されてしまっている場合は、以下の方法で改善を目指しましょう。
・毎月の役員報酬から徐々に返済していく
・前期比で金額が減っている状態にしておく
【裏技」決算日だけでも社長名義で会社へ資金を一時返済→(次の日には元に戻すでもOK)
融資審査では“改善しているかどうか”が見られます。
完璧でなくても、「ちゃんと向き合っている姿勢」を示すことが大切です。
■ 代表者貸付金は“信用格付”にモロに影響
銀行の「信用格付を上げる」には、資金の流れが透明であることが前提です。
社長貸付金が計上されているだけで、「資金調達の成功率」はガクッと下がる可能性も。
数字は嘘をつきません。
そして、銀行はその「数字」だけしか見ていないのです。
■ まとめ:社長貸付金があるかどうか、今すぐチェックを
それなりに溜まってしまうと、なかなか抜け出せない「代表者貸付金」。
きれいにするにも相当期間を要する場合もあります。
まずはご自身の決算書・月次試算表をチェックしてみてください。
「経営の見える化」や「キャッシュフロー改善」を図るうえでも、
この項目を正しく把握・対処することが大切です。
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