【支店長になったけどすぐやめちゃいました②】現場って、こんなに感覚勝負なの？CFOになって気づいた“経営のリアル”
私はもともと信用金庫で長く働いていました。
若手の頃は「とにかく数字を上げること」が最優先。
お客さんは、正直なところ「自分の実績を作るための存在」くらいに思っていた時期もあります。
今振り返ると、ずいぶん自分本位な視点で仕事していたなと思います。
ただ、年次を重ねるごとに中小企業の経営者と接する機会が増え、少しずつ考え方が変わってきました。
■ ステージが上がるほど「数字」だけでは見えなくなってきたもの
渉外係長、本部、副支店長、支店長と役職が上がる中で、
ノルマのためだけでなく、「この会社にとって本当に意味のあることなのか」を考えるようになりました。
社内でのマネジメントはやりがいを感じていたものの、
中小企業の経営者たちは、日々プレッシャーと不安の中で踏ん張っていて、
その姿を見ていると「自分ももっとクリエイティブな仕事をしてみたい」と思うようになってきたんです。
一方で、組織の中では「数字」や「方針」に従うことが優先される場面も多くなっていきました。
社内政治のようなものに巻き込まれることも増え、「ああ、自分はどこを見て仕事してるんだろう」と疑問を感じるように。
■ 銀行という枠の中では、これ以上の成長が描けなかった
長年、さまざまな融資パターンを組んできましたが、
副支店長以降は「型にはめたような仕事」が多くなっていました。
当時は「この業務、もう自分の中ではやり切ったな」と思っていたんです。
「こうすればもっと企業の支援になるのに」
「こういう仕組みがあればいいのに」
そう感じても、大きな組織の中ではどうしても限界がある。
変えたいと思っても、簡単には通らない。
だったら、自分が“現場に入って、手を動かせる立場”になりたいと思いました。
■ 経営者の隣で、もっと深く関わる仕事がしたかった
仕事柄、多くの中小企業の「挑戦する姿」に触れてきました。
資金繰りに悩みながらも前を向く社長。
新しいサービスを展開して成長していく会社。
そういう方々を見ているうちに、
「外から融資を出すだけじゃなく、内側から支える存在になりたい」と強く思うようになりました。
「だったら、一度、外に出てみよう」
そう決めたのは副支店長の時。その半年後に支店長を拝命しましたが、
決心していたので就任後間も無く退職を申し出て、紆余曲折ありながらも退職しました。
■ まとめ：きっかけは“違和感”だったけど、今は納得している
私は、理想があって飛び出したというよりも、
「このままじゃ、自分が変わらない気がする」「肩書に溺れてしまう」と思って辞めました。
もっと“中に入り込んで、並走できる存在”でありたかった。
そういう意味では、今の外部CFOや財務支援という仕事は、自分にとって自然な流れだったのかもしれません。
次回は、転職後に出会った“経営のリアル”と、自分の役割がどう変わっていったのかをお話しします。
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