融資相談を受けたときの「銀行員の本音」! 深層心理を深掘りします。

居谷謙祐

居谷謙祐

テーマ:銀行取引の仕方

銀行は主力商品である「融資」の獲得を推進していますが、際限なく出せるわけではありません。
融資のノルマはあるが、誰にでも出せるわけではないという矛盾の世界で毎日戦っているのです。

表向きには丁寧に応対してくれても、内心ではまったく違うことを思っている──
そんな“銀行員の心の声”を知ると、あなたの融資戦略が変わるかもしれません。



■【ケース1】業績が良い会社への融資相談

銀行員の本音:

「来た来た!数字も安定してるし、これは出したい!うちの店の実績にもなるし、上にも顔が立つぞ。…でも金利叩かれるんだろうなあ。保証協会つけてくれたらラクなんだけどなぁ。」

このように、業績がしっかりしている企業には、銀行員も乗り気です。
実際、書類もすぐ整えてくれ、説明も筋が通っていれば“決裁に通すモチベーション”が高いのです。

ですが同時に、「この案件、低金利で粘られるかな」「プロパー融資にされそうだな」といった“内心の防衛本能”も出てきます。
プロパー融資は本部との交渉になるため、イヤなことを言われることも多々あります。
一方、信用保証協会などは外部機関なので相手も丁寧に対応してくれるので心理的にはラクなのです。
つまり、決算内容が良くても交渉の姿勢次第で“やりにくい案件”になることもあるというのが現場の本音。

■【ケース2】業績が微妙な会社への相談

銀行員の本音:

「まじかー...これ稟議あげてもどうせ通らないな。でも断るのも面倒だし、上席報告もしづらいし…。金利とかとやかく言わないでほしいな...。リスケの相談になったら余計に面倒。うーん、聞かなかったことにしたい…。いっそ個人ローンにでも振るか!」

これは極端な例ですが、銀行員も人間です。ネガティブ案件には正直、腰が重くなるのが現実です。


特に、次のような状況は嫌われがちです:
・数字の悪化理由が説明されていない
・資金使途がぼんやりしている
・「なんとかしてくれ」感だけ強く、提案や計画がない

こうなると、「この人、自分で何も準備してないな」と見なされ、案件として冷められてしまうのです。

■ 銀行員は“上司に報告しやすい案件”が好き
現場の銀行員が最も気にしているのは「返済の可否」ではなく「この案件を上に通せるかどうか」
つまり、“あなたとの会話”というより、“上司や審査部とのバトル”を想定して動いているのです。

だからこそ、以下のような準備ができていると、銀行員の印象は激変します。
・他行取引の状況や融資の提案状況の説明
・決算書とセットで補足説明資料がある
・赤字の理由+改善見通しが明記されている
・資金使途に対するPL/返済計画が明確

→ これがあるだけで、「この社長は話が通じる。報告もしやすい!」となるのです。

■ まとめ:「数字」だけでなく「態度」も見られている
融資は“審査”です。
でも、実態は“人間同士の信頼ゲーム”でもあります。
銀行員から上に「この社長だから大丈夫」と言わせたら勝ちです。

数字に裏付けられた資料を用意すること。
それを分かりやすく説明すること。
そして、銀行員が「よし、上に通せる」と思えるように“見せて”いくこと。

当社では、銀行員の思考フローを熟知した立場から、融資相談の前段階からの戦略設計と資料づくりを支援しています。
「銀行の反応が悪いのは、うちの業績のせいだけ…?」
そんな不安を感じたら、一度ご相談ください。
“見せ方を変えるだけで、銀行の態度も変わる”──それを現場で何度も実証しています。

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居谷謙祐
専門家

居谷謙祐(資金調達・財務コンサルタント)

株式会社ライフクリエイト

専門用語を使わず、社長と同じ目線で「数字」と向き合うのがモットーです。 資金調達、決算書を解析した強みの発掘と弱みの補填など、数字の裏にある可能性を引き出します。

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