【建設業で初めての融資】今は通らない?失敗しないための3つの鉄則とは

居谷謙祐

居谷謙祐

テーマ:銀行取引の仕方

「今、建設業って融資通りにくいんですか?」
「銀行に申し込みをしたけど門前払いをくらいました」
最近、こうした相談が本当に増えています。
創業して間もない、あるいはこれから初めて融資を受けようとする方にとって、“審査が通るのか?いくらまで借りられるのか?”という不安は当然です。

特に建設業は、設備費用も大きく、取引先の支払いサイトも長め。資金繰りに余裕がないと、そもそも現場が回らない。

しかも近年は、政策金融公庫や信用保証協会でも審査が厳格化しており、「前は通った金額なのに、今回は否決された…」という事例も珍しくありません。
今回は、建設業で初めて融資を受ける方が知っておくべき、通りやすくするための3つの準備ポイントを、実務ベースでわかりやすくお伝えします。



1. 初回融資は“満額”通らない前提で考える

建設業の創業時や新規取引での融資は、希望した金額がそのまま通ることは稀です。

特に最近では、
・政策金融公庫でも「初回は500万〜1,000万円程度が上限」と言われることが多い
・銀行や信用保証協会なども新規先には慎重になっている

今はまずは小さく借りてしっかり返済し、信頼を積み上げることが基本です。
最初の融資は、事業のスタートアップ資金の一部として考え、資金計画に余裕を持たせましょう。

2. 現金保有が多すぎると、逆に疑われることも

「現金がたくさんあるから安心」と思うかもしれませんが、金融機関は違った見方をしています。

実際に私たちが相談を受けている建設業の会社では、現預金のうち“現金”の割合が高すぎるケースが少なくありません。

これは、以下のようなリスクを生みます:
・現金が多すぎると「帳簿上だけの資産では?」「粉飾決算では?」と疑われる
・普通預金の残高が極端に少ないと、事業実態が見えづらいと評価される
・金融機関に「資金の透明性が低い」と判断される可能性がある

※実際の失敗例
「現金ばかりを保有して通帳が空」だったために、300万の融資が否決されたケースもあります。

ポイント:
通帳に記録が残る形で資金を見せる(信頼性アップ)
預金口座の入出金履歴が「資金の流れ」を証明する材料になる

金融機関は“通帳を見て安心する”のです。数字だけではなく、その中身や動きも意識しましょう。

3. 設備資金は「通りやすい」はもう過去の話

以前は、「設備投資なら金融機関も融資しやすい」という時代がありました。

しかし、今は事情が変わっています。

・収益性の裏付けがないと否決される
・設備の見積もり・導入理由・収益シミュレーションの提出が必須
・短期間での審査通過は難しく、半年〜1年前から計画するのが理想

建設業における大型設備(重機や特殊車両など)は高額ですが、「それを使ってどう売上を伸ばすのか?」を明確にしておかないと、“ただの支出”とみなされる可能性があります。

まとめ:初めての融資で失敗しないための鉄則


建設業が初めて融資を受ける際に押さえるべきポイントは以下の3つです:

  1. 初回は満額通らない前提で段階的に考える
  2. 現預金のバランスを見直し、“現金”ではなく“預金”で管理する
  3. 設備投資は1年前からの計画と資料準備が鍵


融資審査において重要なのは、「実績」と「信頼感」です。
とくに建設業は、売上の波が大きく、支払いサイトも長い。
だからこそ、金融機関は「この人は、どこまで準備してきたか?」をしっかり見ています。

本気で通したいなら、最初の準備がすべて
当社では、建設業の創業融資・信用保証協会との交渉・設備資金の計画設計など、現場の実情に即した支援を行っています。
「通るか不安」「何から準備すればいいか分からない」という段階からご相談可能です。

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居谷謙祐
専門家

居谷謙祐(資金調達・財務コンサルタント)

株式会社ライフクリエイト

専門用語を使わず、社長と同じ目線で「数字」と向き合うのがモットーです。 資金調達、決算書を解析した強みの発掘と弱みの補填など、数字の裏にある可能性を引き出します。

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