・銀行取引の“あるある”にはワケがある?──モヤっとの正体を読み解くヒント
決算が終わってホッとしたのも束の間。
銀行に資料を提出した途端、「今年もまた評価が下がったかも…」と不安を感じたことはありませんか?
決算書は“税務処理のためのもの”と思われがちですが、実は“銀行がその会社を評価する最重要書類”です。
今回は、特に見落とされがちな「貸借対照表(BS)」が、たった1日で会社の未来を左右する理由を解説します。
決算日のBSが与える大きな影響
たとえば、売掛金や棚卸資産が大きく残っていると、「資金が滞留している」「現金化まで時間がかかる」など、資金繰りに懸念がある会社と評価されてしまいます。
逆に、以下のような工夫をすることで、BSの印象はガラッと変わります。
・売掛金はなるべく早く回収しておく
・棚卸資産は必要以上に抱えない
・買掛金や未払金は可能な範囲で決算日以降に支払う
⇒「資金の持ち出しが少ない=キャッシュが潤沢に見える」からプラス評価されやすい。
・在庫の購入は決算日を避けるスケジューリングを行う
たった“1日”の工夫ですが、この1日の数字が翌年の融資判断の根幹になるのです。
「決算書だけでは足りない?」月次試算表の提出は何のため?
では、「決算書が悪くても、翌月の試算表で改善が見られれば大丈夫なのでは?」
そんな質問をよく受けます。
答えとしては、“補足資料”として提出するのは有効ですが、
実際の信用格付はあくまで決算書を基に行われます。
つまり、月次試算表はその後の現状把握や経過観察のためのツールであり、すでに決定された融資判断や格付をひっくり返すほどの影響力は基本的に持っていません。
「次の決算書ができてから」 銀行からこのように言われた経験はありませんか?
そんな先のことを待っている余裕は無いのです。
では試算表は無意味なのか?
そんなことはありません。
たとえば、決算日時点でどうしても在庫や売掛金の調整が間に合わなかった場合、翌月の試算表で明確に減少している数字を示し、「一過性のものである」と説明できることで、銀行側に良い印象を与えられることもあります。
ただし、それを「評価に反映するかどうか」は、あくまで担当者の裁量に委ねられます。
だからこそ、決算書の段階でできる限り良い数字を整えておくことが一番の対策です。
当社では、決算書の“見せ方”もサポートします
多くの中小企業において、決算は「税金計算のためだけのもの」と捉えられがちですが、銀行との付き合いにおいては「融資の未来を左右する戦略的ツール」といっても過言ではありません。
当社では、こうした銀行評価を意識した決算書のポイント整理や、
売掛金・棚卸資産などの調整アドバイス
補足資料の作成(資金繰り表・在庫分析表など)
決算内容の説明資料(前期比の要因や改善策)
といった支援を行い、金融機関との信頼関係を高めるお手伝いをしています。
最後に|たった1日の数字で一年が決まるなら
逆に言えば、「たった1日のBSを改善するだけで、銀行からの見え方が大きく変わる」ということ。
これを活かさない手はありません。
「今からでも何かできることがあるか?」
「来期の決算日には何を整えておけば良いか?」
今からできる“小さな工夫”で、来期の銀行対応が変わるとしたら──
一緒に、できることから始めてみませんか?
そういったご相談にも丁寧に対応しております。
ぜひ、お気軽にご相談ください。銀行との付き合い方に、小さな“ひと工夫”を加えてみませんか?
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