母親が認知症か?と感じた時
2階の事務所でパソコン業務を行っていると、福寿想リハビリデイサービスの利用者Aさん(軽度の認知症)が理学療法士の職員と話をしながら階段昇降訓練をしている声が聞こえてきました。
理学療法士:Aさん、階段を登りながら、1段ずつ数を数えましょう。但し、英語で数えてください!
Aさん:英語かあ、分かった。
・・・階段を一段づつ昇る足音と共にAさんの声が聞こえます。
Aさん:ワン、ツー、スリー・・(略)・・ナイン、テン、うん?、うん?、じゅうに・・・
理学療法士:イレブン、ツエルブ、サーティーン!
階段は16段あります。Aさんは、素晴らしい発音でテン(10)までは順調でしたが、イレブン(11)以降、急に発声しづらくなった様子でした。2回目はサーティーン以降が出てきませんでした。3回目の昇降は、理学療法士も一緒に声に出して、なんとかシックスティーン(16)まで数えることができました。
認知症とは、脳の働きが悪くなることで記憶や判断力が衰えて日常生活や人との関わりに支障が出る事です。定期的な運動やバランスの良い食事が予防につながります。特にアルツハイマー型認知症の予防には適度な有酸素運動や筋力トレーニングをすることで、アルツハイマーの原因となるアミロイドβ蛋白の蓄積を減らす事や短期記憶の容量を増加する効果があると言われています。
そして、上記のデイサービスでの機能訓練のように、運動+認知課題(簡単な計算やしりとりなど)を組み合わせると、さらに認知症予防の効果が上がると考えられています。ただ、単に階段を昇降しながら、1、2、3と数えるだけでは、意味がありません。脳を動かしてないからです。弊社理学療法士のすごいところは、階段の段数を英語で数えよう!と提案した事です。素晴らしいです。
身体を動かしながら、脳も汗をかく状態にすることが、認知症予防には大切です。