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薪ストーブを選ぶ前に知っておきたい二つの価値ー導入の是非を検討するための候補の選択、合ってますか?

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テーマ:薪ストーブの選び方

 新築にせよ、リフォームにせよ、何かしら暮らしを新しいものとして再出発を図るとき、少なからず取り沙汰され、検討の俎上に上がるのが薪ストーブです。

 しかし一言で「薪ストーブ」と言っても、どんな薪ストーブを選ぶか?によって、導入後の展開は随分異なってきます。そもそも導入して良いものかどうか自体も、ちゃんと目的にあった薪ストーブを候補に選んだうえで、それを導入したらどうなるか?ということで考えないとおかしなことになります。

 自動車で言えば、軽ワゴン車で「自動車が欲しい」という意図を満足するのに、検討では、大排気量のスポーツカーの使い勝手や維持管理費に基づいて導入していいかどうかを考えていたらおかしいですよね?そのように「目的にあった薪ストーブ」の情報に基づいて、導入するかどうかも含めて検討することが非常に大切です。

 しかし、その「目的にあった薪ストーブ」とはどんなものか?普通の人には、まずこれを把握することが難しいのです。たとえば、郊外の一戸建て、アウトドアがちょっと好きだけど寒いのはイヤ、薪ストーブの経験はないけど昔からちょっと憧れで、まだ小さな子供が育っていく家に薪ストーブがあったら素敵だろうな……という条件があったとしても、そこからでは、具体的な検討は実際にはほとんど不可能です。

 何故ならば世の中に数多ある「薪ストーブ」は、薪を燃料に燃やして何かしら部屋を暖めるという部分が共通しているだけで、具体的な実際のハードとしては千差万別だからです。

 そのあたりは再び「自動車」で考えるとイメージしやすいかもしれません。「自動車」も要するにエンジンなりモーターなり原動機があって、タイヤが通常は四つあって、人が乗れる空間があって……ということが共通しているのと同じだけで、家族構成や嗜好程度の一般論的な情報だけでは、実際にはニーズに合ったものは選べないということと同じです。

 ところが、薪ストーブの検討プロセスでは、ここで「変なこと」が起こります。ハードウエアとして各社の薪ストーブ、各種の薪ストーブで具体的に何が違うか??その理解と、それに基づく選択が求められてしまうのです。

 ハードウエアの違いとは、例えば次のような内容です。

「本体構造が違います(鋳物か鋼板か、二重構造の採用の有無、断熱材の配置の仕方、薪の投入その他開口設計、ガラス窓の大きさ形状etc)」「燃焼方式が違います(煙の処理の有無、排煙処理の原理、空気供給の考え方etc)」「操作方法が違います(レバーorダイヤル、操作するレバー等の数、操作手順タイミング、燃焼維持が自動か手動かetc)」「出力大きさが違います(本体出力、出力の可変幅、本体重量、暖まるスピード、暖かさの維持性能、燃費etc)」「デザインが違います(クラシカルデザイン、モダンデザイン、家具調デザイン、装飾デザインetc)」

 ……この中から、実際に薪ストーブを使ったこともない普通の人が、いったい何をどう整理して、どう判断すればいいのでしょうか??……でも、これはそんなことを求めるほうがおかしいのです。考えてみてください、そもそも自動車の検討プロセスでは、そんなハードウエアとしてどう違うかなんて、そんなに話に上がることもありませんよね?

 自動車の検討プロセスでは、ハードウエアの違いは、せいぜいエンジンかハイブリッドか電動か、あるいはオートマかミッションか、排気量と大きさ規格くらいなはずです。そして、それは「どんな価値の違いにつながるか」も想像つくはずです。そもそもハードウエアの違いも何も超えてしまって、例えば「ジャガーが欲しい」という人なら、その人には自動車に求める価値に関して、何かしら明確なものがあったりするわけです。

 つまり、検討するうえで大切なのは、ハードウエアの違いではなく、あくまでも「価値」なのです、薪ストーブによってどんな価値がもたらされることを期待するか。

 そういう「薪ストーブのタイプによって、どんな価値の違いにつながるか?」という観点から基本的な分類については、次のようなサイトがあります。
楽しく暮らせる薪ストーブの選び方;実践編

 ご興味あれば、そちらもご覧いただくとしまして、本コラムでは、もっと本質的な視点を示します(薪ストーブに限らず、様々な選択に共通するような視点だと思います)。

 本質的に大切な視点、それは「新しい暮らしの中で、何がしたいですか?何を求めますか?」という、価値についての、あなたさまの内なる欲求です。そもそも何のために薪ストーブを入れたいと思ったのか?ということです。

 その「薪ストーブに求める価値」が、ある意味、薪ストーブ導入を巡る全ての基軸になります。

 ここを、とりわけ外せない優先順位として明確にしておけば、機種選びで失敗することはありません。逆に、きっちりと「価値」、あなたさまの内なる欲求を言語化すれば、薪ストーブの選択肢は非常に限られてくることでしょう。

 ただ、この内なる欲求ですが、薪ストーブでは具体的には「針葉樹の端材なら沢山手に入るので有効活用して暖房費を節約したい」とか「薪ストーブのお料理に興味があってとても憧れる」とか、色々あるかと思います。

 そういった細部は、服を完全にオーダーメイドするがごとく、ハードウェアとしての薪ストーブを求める価値にどこまで合わせ込めるか?という問題は、薪ストーブ屋のプロの力量の範疇になってしまう個別具体的な話です。

 そこで、このコラムでは、これから薪ストーブを選ぶユーザーさんご本人が価値を言語化する場合に「軸」となる最も大切な両極端の二つ価値をご紹介します。次回は、おそらく一般的には多くの人がイメージするだろう薪ストーブの第一の価値についてお話します。

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専門家

大屋渡(薪ストーブの設置及び販売)

株式会社愛研大屋環境事務所

雨漏りや地震台風等に強いことはもちろん、災害時も安心熱源、将来にわたって何かしらの形で薪ストーブを活用し続けられる製品選び・設置方法の提案など、薪ストーブを導入することによる永続的な価値を提供します。

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