STEP1 問題を明確にする【基本①】「真の目的」を考える力
「どうも原因が見えてこない」
「議論が空回りして、解決の糸口がつかめない」
問題解決の現場では、こうした状況が頻繁に起こります。
今回は、私が実際に研修の支援で関わった企業事例をベースに、AIとの対話が“真因の萌芽”を掘り当てた瞬間をご紹介します。
ケース:製造ラインの不具合に悩む現場
ある製造企業で「特定ラインの生産効率が低下している」という課題が浮上しました。
会議では、
- 機械の老朽化
- 作業者のスキル不足
- 材料ロスの増加
といった意見が次々と出ましたが、どれも決定打にならず、議論は堂々巡り。
AIとの対話が開いた視点
そこで、議論の前にAIを使って「この問題を分解すると、どんな要素が考えられるか?」と投げかけてみました。
AIは、
- 設備面(機械の性能・保守状況)
- 作業面(標準作業手順の遵守度)
- 環境面(作業スペースや部材配置)
- 管理面(シフト編成や人員配置)
といったカテゴリーで整理し、さらに「作業者の移動距離が長いこと」が効率低下の一因になり得ると指摘しました。
現場メンバーにとってこれは意外な視点でしたが、実際に現場観察をすると、部材置き場の配置が非効率で、作業者が一日に何十回も無駄な移動をしていることが確認されました。
真因の萌芽を掘り当てる
AIが“真因そのもの”を教えてくれるわけではありません。
しかし、人間が見落としていた切り口を提示し、議論の突破口を開く役割を果たします。
このケースでは、AIとの対話が「移動動線」という観点をチームに思い出させ、そこから真因の芽を掘り当てることができました。
結果的に、ラインレイアウトを変更するだけで大幅な効率改善が実現しました。
実践の第一歩:AIを“議論の触媒”として使う
- 問題の要素をAIにリストアップさせ、視野を広げる
- AIが出した視点をそのまま採用せず、現場で検証する
- 「もしAIが挙げたこの要因が真因だったら?」と仮説検証のきっかけにする
AIは答えを出す存在ではなく、思考を刺激し真因に迫る触媒と捉えることが大切です。
まとめ:真因は“対話”から見えてくる
- 問題が複雑なとき、人間の思考は固定化しやすい
- AIとの対話は“見落としの視点”を提供してくれる
- 真因はAIではなく、人間の現地確認と検証で掘り当てる

AI時代の問題解決メソッド(13/50)
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