社内ヒアリングの“落とし穴” 〜ニーズを聞いても、いいアイデアが出てこない理由〜
「最初のアイデアにこだわりすぎて、うまくいかなくなった」 「一度始めたことをやめるのは、負けた気がする」
イノベーションにおいて、こうした“こだわり”が大きな足かせになることがあります。
しかし、柔軟に方向転換する「ピボット(pivot)」こそ、 不確実性の高い領域ではむしろ戦略的な選択です。
ピボットとは?
ピボットとは、「軸足は残したまま、方向を変えること」。 つまり、アイデアの根本を否定するのではなく、 ユーザーや市場の反応を踏まえて“より価値が伝わる方向”へと転換することです。
どんなときにピボットすべきか?
以下のような兆候が見られたら、ピボットを検討するタイミングかもしれません:
- 顧客が使ってくれない、続けてくれない
- 価値を伝えるのに過度な説明が必要
- 意外な用途で使われ始めている
- 別のニーズやペインのほうが強く感じられる
ケース紹介:学習アプリの“想定外”の使われ方
教育系スタートアップが開発した「英語のリスニング強化アプリ」は、 高校生向けに開発されましたが、実際には“英会話講師の授業準備ツール”としての需要が急増。
当初のターゲットを「先生」に切り替え、教材編集機能を強化したところ、 講師間での口コミが広がり、有料化後も順調にユーザーが伸びました。
このように、顧客の“意外な使い方”に学ぶことこそ、ピボットの契機です。
ピボットに必要なマインドセット
- 方向転換は“敗北”ではなく“進化”
- ユーザーは想像以上にアイデアを変えてくれる存在
- ピボットの余地を見越して、柔軟な企画設計を
まとめ:ピボットは、イノベーションの加速装置
- 市場や顧客に応じて柔軟に変えることが成功の鍵
- “意外な反応”は、次のヒントになる
- MVPと組み合わせて使うことで、ピボットはより効果的に

壁を越えるイノベーション実践録(43/50)
次回予告:
「“どこでも通用する強み”は、実は幻想?」
〜コアコンピタンスを尖らせる思考法〜
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