“企画倒れ”を防ぐために必要なたった1つの視点 〜“やって終わり”にならないイノベーションの設計〜
「同じような内容なのに、なぜかあの人の提案だけは通る」
「技術的には優れているのに、どうしてうちの案は採用されなかったのか」
そんな場面に、心当たりはありませんか?
イノベーションにおいて重要なのは、「良いアイデア」であることだけではありません。
むしろそれを実現に向けて“動かす力”が、アイデア以上に問われる場面が増えています。
その鍵が、「巻き込み力」です。
巻き込み力とは何か?
巻き込み力とは、自分の想いやアイデアに共感者を集め、実行フェーズに進めていく力です。
- 自分ひとりでは動かせない壁を、周囲の協力で越える
- 利害関係を調整し、合意形成を導く
- 当事者意識をもった仲間を増やし、熱量を広げる
この力が高い人は、「組織の中でイノベーションを通しやすい人」と言えるでしょう。
提案が通る人の3つの共通点
1. 「自分ごと」として語っている
他人事のような説明では、誰も動きません。
「なぜ自分がこれをやりたいのか」「誰のために、どんな未来を描きたいのか」――このストーリーが明確な人には、自然と人が集まってきます。
2. 相手の言葉で語っている
経営層には経営の言葉で、現場には現場の言葉で。
専門用語や自分本位な表現ではなく、相手に届く表現を使える人は、共感を生みやすくなります。
3. 小さな共創を仕掛けている
最初から完璧な企画を出そうとせず、「一緒に考える」プロセスを大切にします。
「実はこういう案があるんだけど、どう思う?」と周囲を巻き込む工夫が、実行力を生みます。
巻き込み力が弱いと起こること
「良いアイデア」だけが溜まっていく
実行段階で人がついてこない
企画が浮いてしまい、途中で潰れる
どれも、現場でよくある“イノベーションが形にならない”パターンです。
巻き込みを可能にする“余白と対話”
巻き込むためには、対話の余白が必要です。
スケジュールが詰まりすぎていたり、上下関係が硬直していたりすると、共創の入り口すら開きません。
- 余白のあるミーティング設計
- 雑談や非公式な対話の場づくり
- 意見を否定しないフィードバック文化
こうした土壌があることで、巻き込み力が自然と発揮されるのです。
ケース紹介:「無関心」が「協力」に変わる瞬間
ある製造業で新製品開発を任されたリーダーは、当初は周囲から冷たい視線を浴びていました。
「また面倒なことを…」「そんな時間はない」と協力を得られなかったのです。
そこで彼は、自分の想いを“5分の社内スピーチ”にまとめて発信し続けました。
1ヶ月後、彼のもとに「ちょっとだけ手伝おうか?」という人が現れ、そこからプロジェクトは大きく加速。
今では社内で「イノベーションの火付け役」として知られるようになっています。
まとめ:巻き込み力は、誰にでも鍛えられる
- 提案が通るかどうかは、「人」をどう動かすかにかかっている
- 想い、言葉、共創の姿勢が、巻き込みを可能にする
- 巻き込み力は、組織のカルチャーが後押しする

壁を越えるイノベーション実践録(24/50)
次回予告:
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