「本当に売れるのか?」の壁を越える 〜リーンスタートアップで進める商品開発のススメ〜
「うちは現場改善は得意だけど、革新的なことはちょっと…」
そんな声を、多くの企業から耳にします。確かに、現場改善とイノベーションは一見、別物に見えるかもしれません。しかし、私は現場からこそイノベーションは生まれると考えています。
その鍵は、「改善」と「革新」の間に橋を架けることです。
改善とイノベーションの違いとは?
まず、「改善」と「革新」の違いを明確にしておきましょう。
改善:現状の課題やムダを見つけて、より良くすること(カイゼン)
革新:既存の前提や枠組みを壊し、新しい価値を創り出すこと(イノベーション)
改善は積み上げ型、革新は飛躍型とも言えます。では、両者は相容れないのでしょうか?
「改善」から「革新」へスイッチする瞬間
私が支援したある製造業の現場では、次のような変化が起こりました。
「なぜこの検査作業は手作業なんだろう?」
現場の一人の気づきがきっかけで、手作業の検査工程にAI画像認識を導入する取り組みが始まりました。
最初は「もっと効率よくやるには?」という改善マインドでしたが、徐々に「そもそもこの工程は必要なのか?」という問いに変化。
結果として、業務そのものを再定義する革新的な改革へと発展していったのです。
このように、「改善」の積み重ねの中から、視座が変わる瞬間が訪れます。そこにイノベーションの芽があるのです。
「現場」だからこそ見える、リアルな課題
現場には、机上の議論では見えてこない生きた課題が存在します。
- 実際に困っていること
- 作業者が感じている違和感
- お客様のリアルな声
イノベーションのタネは、遠くの未来にあるのではなく、足元に転がっています。それを拾えるのは、日々の改善に携わっている現場の皆さんなのです。
改善をイノベーションに変える「3つの問い」
では、どうすれば改善をイノベーションに昇華できるのでしょうか?私は以下の3つの問いを現場に届けています。
1. 「そもそも、なぜやっているのか?」
改善ではなく、前提を疑う問い。習慣化された業務ほど、答えに詰まります。
2. 「本当の目的は何か?」
手段に囚われず、成果や顧客価値を起点に考える問いです。
3. 「もし制約がなかったらどうするか?」
制約条件を一時的に外すことで、新たな可能性に気づくための問いです。
管理職が果たすべき役割とは?
現場の気づきや改善を、革新へとつなげるためには、管理職の姿勢が重要です。
「どうせ無理」と冷や水をかけるのではなく
「面白いね、それを試してみよう」と後押しする
現場に芽生えた小さな発想の芽を育てる“土壌”づくりが、管理職の役割です。
まとめ:イノベーションの入口は、現場にある
- 「改善」と「革新」はつながっている
- 現場の“違和感”や“気づき”にこそ、未来のヒントがある
- 「前提を疑う問い」から、視点が変わり、飛躍が始まる




