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なぜ昔のラジウム温泉は効果があったのだろうか?

早川善輝

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テーマ:ラドン温泉の歴史および社会的背景

ラジウム温泉が効果あった理由

ラジウム研究所(岡山大学三朝分室)
ラジウム研究所(岡山大学三朝分室)などで研究され、温泉中にラドンが含まれているからと結論づけられた。


現在は昔に比べて効くのか

三朝温泉を例に示す。

昭和23年12月23日 分析結果
 ラドン含有濃度:450マッヘ
 浴槽ラドン濃度:1215ベクレル

平成25年9月2日 分析結果
 ラドン含有濃度:21マッヘ
 浴槽ラドン濃度:58ベクレル

これは95%減少である。
つまり95%効かなくなったとも言える。


全国のラジウム温泉(放射能泉)の現状

全国ラジウム温泉浴室ラドン濃度
《放射能泉地域の空気中ラドン濃度測定》

全国のラジウム温泉浴室ラドン濃度は、
《放射能泉地域の空気中ラドン濃度測定》の表が示す通りである。

この表は、末端の浴室で湯治として人々が吸入できるラドン濃度を示すものである。
池田鉱泉、玉川温泉にはラドンが存在しないことが判るはずである。


源泉から浴槽へのラドンの推移


《希望荘実態調査》では、源泉と比べ浴槽では冷鉱泉で**0.5%**までラドン濃度が変化し、さらに2日後には無くなるとされる。

また《放射能泉地域の空気中ラドン濃度測定》調査時の源泉ラドン濃度に、

冷鉱泉変化定数:0.5%

高温泉変化定数:20%

気体化定数:2.2倍

を適用すると、ほぼ《放射能泉地域の空気中ラドン濃度測定》値に一致する。

以上より、全国のラジウム温泉浴槽にラドンが全く無いことが判るはずである。
なお【≪15】という表示は非常に小さく、一般空気中ラドン濃度以下の15未満であることを表している。


ラドン温泉が誕生した理由

全国のラジウム温泉(放射能泉)にラドンが無いことが背景にある。

① 全国で湧出している源泉自体において、ラドンが大幅に減少し続けている。
② 半減期経過のため、湧出後にラドンは大幅に減少する。浴槽では有効数値は全く期待できない。

ラジウム温泉(放射能泉)のラドン濃度が大幅に低下しているため、昭和35年より開発研究が開始され、昭和47年に初めて「ラドン温泉」がOPENした。
それ以前にはラドン温泉という名称自体が存在しない。

天然のラドンとは異なり、安定したラドンガスを気体のまま浴室へ送り込むものが【ラドン温泉】である。
呼吸で吸うため「吸う温泉」と命名されている。
最大の特徴は、3時間でほぼ全て体内から排出され、体内にラドンが残存しない点である。
(排出ラドン量)
排出ラドン量


ラドン温泉とは商品名である

ラドン温泉とは泉質名ではなく、株式会社湯ーとぴあの登録商標である。
登録第2614129号、6577140号、6762709号、6698430号、6783229号、6784104号である。

ラドン発生装置により、浴槽・浴室内へガンマー線の無い安全な一定濃度のラドンガスを送り、ラドン浴室内にて吸入、あるいは温浴中に肌より吸収するシステムをラドン温泉という。


Rnを含有する温泉は法律上「放射能泉」である

Rnを含有する温泉は法律上「放射能泉」である。
これと類似するラドンを含む温泉はいわゆる「ラジウム温泉」であり、泉質表示は「放射能泉」である。

放射能泉とは、地中の放射性ウランが放射線を放出して変化する過程で生まれる「ラドン」という気体を、111Bq以上含んだ温泉である。

ラドンは無色・無味・無臭であり、水に溶けやすく、空気より重い性質を持つ。
ラドンは放射性であるため半減期があり、湧出前からポロニウム・鉛に変異する。
(崩壊図)
崩壊図


ラドン温泉とラジウム温泉(放射能泉)の放射線種の違い

ラドン温泉はアルファ線であり、アルファ線療法の一種である。
ラジウム温泉(放射能泉)はベーター線・ガンマー線であり、主たる放射線の効用は無い。


ラジウム温泉(放射能泉)浴槽の主たる元素はポロニウム鉛

ラドン元素
源泉と比べ浴槽ではラドンは冷鉱泉で0.5%、高温泉で**20%**までに減衰する。

その間、気体化したラドンは浴水の2.2倍であり、同質量の**98~66%**がポロニウム・鉛に変化すると予想される。
(各温泉地温泉分析表源泉ラドン濃度、《放射能泉地域の空気中ラドン濃度測定》、《希望荘実態調査》による)

それ故、Rn泉と呼ぶのではなく「放射能泉」と定義されているのである。


各温泉地の現状と分析(2026年時点の概況)

三朝温泉(鳥取県):

かつては世界屈指のトロン含有量を誇ったが、現在では多くの施設でラドンが大幅に減衰し、泉質分類上「普通温泉」に該当するレベルまで低下したケースが半数報告されている。
95%減少という数字は、昭和時代からの「源泉での数値」が極限まで進んでいることを示唆している。

増富温泉(山梨県):

不老閣の岩風呂のように自噴する源泉をそのまま利用できる特殊な環境を除き、多くの施設でラドン含有量が基準を下回り、一般的な温泉と変わらない状態になっているのが実態である。

玉川温泉(秋田県):

強酸性で知られる玉川温泉であるが、岩盤浴においては「熱」や「地表の放射線」はあっても、空気中に有効な濃度のラドンガスが含まれていないという事実は、治療効果を期待する利用者にとって重要な指摘である。

その他の地域(京都・広島・岩手など):

京都「えいせんかく」や広島、岩手の施設でも70~75%といった大幅な減少が確認されており、全国的傾向として「天然の放射能泉」がそのアイデンティティを失いつつあることが浮き彫りになっている。


なぜ「天然」は減少・消滅するのか

これには物理的・環境的な限界がある。

・揮発と壊変・変異
  ラドンは気体であり、湧出後の輸送や加温、循環によって瞬時に空気中へ逃げ、ポロニウムや鉛へと変化してしまう。

・地震や地下資源の変動
  地下水脈の変化や過剰な汲み上げにより、ラジウムとの接触時間が減り、ラドン供給そのものが不安定になっている可能性も指摘されている。


結論

「天然の放射能泉が、治療に有効なレベルのラドンを浴槽に維持すること」は、現代の管理環境下ではほぼ不可能に近い状況である。

※ポロニウム・鉛の浴槽水をロウリュウサウナ・ミストサウナに用いてラドン温泉を真似るケースがあるが、安全上大変懸念がある。
ドアを開放して利用するべきである。

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早川善輝(健康/リラクゼーション)

ラドン温泉ホテル 湯~とぴあ

日本でここにしかない最大濃度のラドン発生器。生まれたての安全なラドンガスを用いたラドン温泉を備え100%かけ流しの百名湯の天然温泉との相乗効果も期待。ヘルスツーリズム&湯治の目的に応じた入浴法。

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