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中小企業の労務管理をサポートし、企業の成長を後押しする

安心して働ける職場づくりを目指すプロ

中村仁

「人財」づくり向け、三つのモットー実践
直接対話通じ、専門知識分かりやすく

#chapter1

就業規則の策定や保険手続き代行のほか、人事・賃金制度のコンサルティングを実施

 「企業の価値を生み出すのは『人』です。雇用する側もされる側も、すべての人が安心して働ける職場づくりを目指し、会社のルールブックである就業規則を策定したり、従業員を守る社会保険や雇用保険などの手続きを代行したり、労務管理をサポートしています」

 そう話すのは、「社会保険労務士法人 シャイン」の代表社員で、社会保険労務士の中村仁さん。地元の中小企業を中心に労務管理の相談に応じ、その数は300件以上に及びます。

 近年は働き方改革の一環で時間外労働に上限が設けられ、有休取得の徹底や同一労働同一賃金の実現などが推進されています。さらに、近年急激に増えている問題が「ハラスメント」で、言い換えれば職場でのいじめや嫌がらせです。厚生労働省が設置する相談窓口でも、2021(令和3)年度で約8万6000件の相談があり、早急な対応が求められます。

 「ハラスメントや従業員のメンタル不調にまつわる相談も増えています。トラブルを未然に防ぐためのアドバイスはもちろん、問題が起こってしまった場合は弁護士などの専門家と連携しながら、解決に向けてサポートします」

 中村さんは従業員のモチベーションを左右する、人事や賃金制度に関するコンサルティングも手掛けます。

 「大企業だけでなく、中小企業においても人事評価制度を採用するようになってきました。一方、せっかく作ったものの適切に機能せず、形骸化しているケースも見られます。そうしたことにならないよう、各企業の実情に合わせた枠組みをご提案しています」

#chapter2

人事制度構築士として、中小企業で運用しやすい「A4一枚評価制度」を提案

 中村さんは人事制度の構築・導入・運用・研修を行うスペシャリスト「人事制度構築士」でもあります。

 「人は正しく評価されてこそ、やる気が引き出され、成果が上げられます。従業員の処遇や報酬など、人事の側面から組織の課題を洗い出し、改善策を講じることで、企業の成長を後押しするのが人事制度構築士。いわば、『人事のお医者さん』のような存在です」

 特に力を入れるのが、小さな会社向けに考案された、A4サイズの評価シート1枚で完結する「A4一枚評価制度」の導入提案です。

 「社員の役割やスキルに応じて業務目標を明示し、それを評価して賃金に反映させるというシンプルな仕組みです。評価の目的を業績向上と人材育成に限定しているので、労使双方に分かりやすく、中小企業でも運用しやすいのが特長です」

 業務目標を明示する際は一般職やリーダー職など、社員の役割等級を設定。求められる役割・能力を明示することで向上心が高まり、採用時にも将来への安心を提示できるので、優秀な社員を獲得しやすくなります。

 評価にあたっては業務目標に加え、役割・スキルや姿勢・態度といった面でも目標を明示。期待する人材像を明確に伝え、定期的な振り返りで社員の成長を促し、上司と部下がともに成長する相乗効果も見込めます。そして、それらの等級制度・評価制度と連動し、社員の現在の立ち位置と評価に基づいた明確な賃金体系を示し、納得性と成長意欲を醸成します。

 このほか、さまざまな場所で得た知見を共有するため、無料のオンラインセミナーも始めました。労務管理について毎月さまざまなテーマで解説するなど、情報発信にも熱心に取り組んでいます。

社員を大切にする企業のサポート役

#chapter3

安心して働ける環境を整え、企業にとってかけがえのない「人」という財産を守る

 中村さんが社労士として独立開業したのは2010年、30歳の時でした。それまではサービス業や製造業の企業に勤務し、その中で学んだ「人財づくり」という考え方が現在の仕事の軸になっているそうです。

 「事業活動を支え、企業の価値を決めるのは、そこで働く『人』です。従業員一人一人が自分の能力を十分に発揮することで、企業も成長します。私たち社労士の使命は、企業のかけがえのない財産である『人』が安心して働ける環境を整えること。企業と人をつなぐ架け橋のような役割だと考えています」

 当初は中村さん1人で始めた事務所でしたが、次第に取引先が増え、2016年には法人化。「輝く社員を生み出すような取り組みにチャレンジし続けたい」という思いを込め、「Shine(輝く)」と「社員」をかけて、法人名を「シャイン」としました。ロゴマークにも輝く星と人がデザインされています。

 現在は中村さんを含め、4人の従業員が働いています。「私たち自身が生き生きと働いていなくては説得力がない」と、ビデオ会議システム「Zoom」などのツールを取り入れながら、個々の事情に合わせた柔軟なワークスタイルを実践しているそうです。

 昨今、働き方に対する人々の意識は大きく変わりました。併せて、労働に関する法律も毎年のように改正されています。

 「人出不足もあって、企業は時代の流れに応じて変化していかなければ、求職者に選んでもらえません。地域のみなさんが幸せなライフキャリアを実現できるよう、企業と人をつなぐ架け橋として、しっかり役目を果たしていきたいですね」

(取材年月:2022年10月)

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専門家プロフィール

中村仁

安心して働ける職場づくりを目指すプロ

中村仁プロ

社会保険労務士

社会保険労務士法人 シャイン

就業規則の作成や労使間トラブルの解決など、企業の労務管理を支援。中小企業に特化した人事・賃金制度に関するコンサルタント業務も行っており、企業の価値を生み出す「人財づくり」に取り組んでいる。

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