~ 士衛塾空手を通して、伝えたいこと 16 ~

伊藤龍吾

伊藤龍吾

テーマ:伝えたいこと



~士衛塾空手を通して、伝えたいこと~

士衛塾山梨の門下生に向けた、私からのメッセージを過去のニュースより転載します。

2018年 12月号 士衛塾山梨ニュースより

■冬期合宿・審査会、後藤杯について■
 例年、2月に冬合宿、3月に後藤杯と別々に行ってきましたが、今年は2月9日(土)冬合宿・審査会、10日(日)後藤杯という日程になりました。なので、バス参加組は、今年は新潟で宿泊することとなりました。必ず受験しなければならない制約のある、茶帯・黒帯受験者で前回不合格の者、黒帯・茶帯・紫帯で行事参加をすべき者を優先的に参加させていただきます。また、冬の審査会は「週1回程度」の練習生は受験できません。「週2回以上」の練習生のみ、受験可能です。「週1回程度」の練習生は夏の審査会のみ受験可能です。
 
■練習回数について■
 時々、生徒には話していますが、「週1回」の練習で何ができるか・・・。確かに練習時間は1時間から1時間半ほどで、盛りだくさんの内容で、トータルでたくさん技を出します。
 しかし、例えば基本稽古の「中段突き」をとってみると1回の練習でわずか10回です。右手と左手それぞれ5回です。週1回の練習生は、これだけしかしていません。これでは上達は程遠いです。
 そこで、必要なのが、練習回数を増やすことが一番です。週2回なら「倍」です。それと自宅での練習です。基本稽古を全部行わなくても良いです。注意されたところを、数分、いや、数十秒でも行うだけで違います。あとは、練習での集中力です。まさに勉強と同じです。予習・復習・集中です。

■私が入門したとき、色帯のとき■
 私は、3人の子ども達と一緒に他流で空手を始めました。34歳の時です。娘から柔道を一緒にしたいというお誘いを受け「男と抱き合うようなものは絶対ダメ←すごい偏見(すみません)」と拒否したところ、娘は小学校で空手のチラシをもらってきました。私が小中学生の時、空手を通信教育(すぐに飽きた)だったり、ボクシング(ジムが遠くてすぐ辞めた)を経験していた私(大笑)は、そのチラシの写真(バット6本折り、瓦10枚割り)に妙に心を惹かれました。「やっぱ、男は強くなくちゃね!!」と言うことで、早速、先生に電話をかけて、私「入ります」、先生「慌てないで、見学をしてから決めてください」、私「いえ、大丈夫です。入ります」・・・。こんな感じでした。子ども達と見学に行き、体操で辛すぎて「やっぱ、辞めようか」と思いましたが、親の意地とプライドが邪魔をして辞めることができずに入会。
 当時、仕事でほぼ毎日のように残業や夜の会議等が入っていましたが、何とか火曜日だけは早く帰り、会議も避けてもらうようにしました。
「道場の練習は本番」と教わっていましたので、練習会場の体育館に伊藤家は早く行き、掃除のあと練習前に練習(予習)、休憩時も練習、練習後も居残って練習。家でも練習。技とか、わからないことは電話で先生に聞きました。空手では、子ども達がライバルであり、先輩であり、後輩であり、仲間であるという関係でした。
入門したての当時、道場のシニアの先輩(一つ上の級)が型をやっているのを見て、スゴイと感動しました。「私も、あんな風になりたい」、「追いつきたい」。しかし、週1から~2回来ている先輩に、私が週1では到底追いつけません。そこで練習回数を増やす努力をしました。思えば叶うもので、無駄な残業をせず、会議も昼間にしてもらったり、案外できるものでした。「週1が週2になれば、週1の先輩には、倍の速度で追いつく。週3なら3倍」を信じ、稽古に励みました。おかげで年二回行われた審査会を毎回を受けることができ、5年ほどで初段を取得することができました。
 決して楽をした5年ではありませんでした。幾度となく骨折をしたり、持病だった、腰椎椎間板ヘルニアで何度も寝たきりになったり、手術をしたりでした。黒帯をとったからって、世間的に何が起こるわけでもありません。では、なぜそこまでしてやるのか、それは「意地」でした。自分に対しての意地。自分よりも上手くて、大会の成績もある子ども達への意地。それだけ一生懸命やってきたのに途中でやめられないでしょう。投げ出せないです。

■拳友たち■
 男なら、やっぱり強くなくちゃいけない。何かあった時に、自分や家族を守れる「力」が必要。もちろん力だけでは不十分「知力」も必要。試合で、真剣に殴り、蹴り合った仲だからこそ、試合が終われば、勝っても負けてもそれは「拳友」。私には、真剣勝負をした、そんな友達が全国、いや、海外にもたくさんいます。本当に幸せなことです。こんな人生って、おもしろい。

■北晋杯 新人戦■
 11月11日に行われた「北晋杯 新人空手道交流大会」。素晴らしかったです。この大会がデビュー戦だったり、蹴拳杯に続き2回目だったりの子たちが主に参戦しました。蹴拳杯から2ヶ月ほどで素晴らしく成長した姿は、感動的でした!大人を感動させる事ができる子どものチカラって素敵だと思いました。ここでたくさんの事を学んで練習に生かす子は今後飛躍的に上手になっていくことでしょう。試合に参加することは、上達のカギです。強い先輩たちを見れば一目瞭然ですね。
 そして、その後のスパーリング会にも参加した子たち、他の道場の方達と試合ではなくスパーリングをすることは、なかなかない機会です。必ずチカラになっているはずです。

■さすが!士衛塾の黒帯!■
 ↑のスパーリング会ですが、一時間弱でした、私たちはシニアグループでしたが、私と藤巻先生を除き、士衛塾山梨の色帯の方や他流の黒帯の方の中には後半グロッキーの方も多くいました。しかし、私たちは、これからが本番というくらいの状態でした。この差を見て、やはり士衛塾山梨の黒帯は、しっかり練習しているんだなと改めて思いました。誰よりも、進んで練習をたくさんするのが士衛塾山梨の黒帯です!

■スポーツと武道■
 若いころは、あまり考えず、ただがむしゃらにできてきたことが、年齢を重ねてくると、だんだんと体が言うことを聞いてくれなくなります。そんな状態なので、どうやったら最低限の身体の使い方で最高のパフォーマンスができるようになるかという所に行きつきます。スポーツというよりも武道的な動きの研究に興味がわいてきます。動きだけでなく、武道そのものを探求するようになります。スポーツのように勝敗を争うことが目的のものと武道は明確に違うことが分かってきます。
 以前、ここで書いたことを再掲したいと思います。
 私たちが習っている「空手=武道」とはなんだろうか?と考えた時、「人生のすべての要素が詰まっている」と思っています。最初は空手の「楽しさ」を覚え、上を目指そうとすると壁にぶつかったりして「難しさ」を学び、試合では勝負の「厳しさ」を味わいます。これらを繰り返し行う事により、人生を豊かに過ごすことができるための基礎的な力が備わっていくものだと思います。すぐに「投げ出さない」「あきらめない」「言い訳をしない」。何かを始めることは誰にだって出来るけれども、本当に大切なのは、それを「継続し続けること」です。努力が報われないのは、努力をしていないか、途中で投げ出したかです。
 士衛塾の「塾」は、学び集う場所と言う意味です。昔の「寺小屋」みたいなものです。学校や学習塾や部活動では教えない、厳しい世の中を生きていくための基礎的な力を養い育んでいく場が、士衛塾です。それが亡くなった木村越山総裁が目指した「単なる町の空手道場では終わらせない」士衛塾なのです。
 私たちは、人生をかけて、この課題に取り組んでいく所存です。どうか、皆様のご協力をお願い申し上げます。

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伊藤龍吾
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伊藤龍吾(格闘家)

新國際空手拳法道「士衛塾」山梨県支部

世界大会入賞者を多数持つ士衛塾では、初心者から上級者まで、目的に沿った指導ができます。指導者はプロとして自覚と誇り持ち、常に研究と勉強・実践を怠りません。一流の道場からは一流の選手が育ちます。

伊藤龍吾プロは山梨日日新聞社が厳正なる審査をした登録専門家です

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