不登校を経たからこそ辿り着ける境地がある
こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で学校以外の学びの場として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって42歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。
血は水よりも濃い〜親子関係はいつからでも劇的に改善できる!〜
先日、次男のアマチュアキックボクシングの試合があり、家族で応援に行ってきました。結果は見事勝利!厳しい練習と減量に耐えながらこの日を迎えた次男の努力が報われて本当に良かったです。ただし、これは単に勝利が嬉しかったわけではありません。
それにはこんな背景があったのです。
次男はこれまで大変なところを通ってきました。発達障がいの診断を受け、小学2年生から中学2年生まで不登校だった彼は、7年間も辛い日々を過ごしてきました。全く出口の見えない闇の中にいるような毎日。小学校高学年の頃には、学校に行けない自分を責め、自己否定感から毎晩のように「もう死にたい!」「殺してくれ!」と荒れ狂う日々で家庭が修羅場と化していたものです。その頃を思うと、まさかこのような日が来るとは想像も出来ませんでした。
渦中にいる頃、私と次男の親子関係は決して良いとは言えませんでした。私は親として精一杯のことをやっていたつもりですが、今振り返ってみると、次男のためというより自分のエゴのためだった部分が少なくなかったように思えます。要は、次男のためと言いながら自分の理想を押し付けていたのですね。本当に彼のことを思うならばどうすべきか、今なら明確に分かるのですが、当時の私はまだまだ未熟だったのです。
そんな次男が中学3年生になった頃、私への不満を爆発させた時期がありました。これまで自分がいかに辛かったか、私のせいでどんなに傷付いたか、今まで溜め込んでいた不満を一気にぶつけてきたのです。「今が親子関係をやり直すチャンスだ」と感じた私は、彼の話を傾聴することを心掛けました。正論や解決策、助言などを述べることなく、共感・受容・関心を持って話を聴くようにしたのです。会話はキャッチボールと言いますが、例えるならボールを私が持たないようにしました。ボールは常に次男に持たせておく。そうしてしっかり話を聴いて、悪いと思ったことは素直に謝りました。「本当にゴメンね。君をそんなに傷付けるつもりは全くなかった。君のためを思ってやったつもりだったけど、そのことでそんなに傷付けていたなんて。過去のことは素直に謝りたい。そして、大事なのはこれからだよね。これからどうしていくか一緒に考えよう。何か話したいことがあればいつでも時間を作るから何でも話してほしい。」そんなやり取りが2,3ケ月続きました。時には深夜まで話をしたこともありました。その後から彼は明らかに変わったのです。
私への不満をぶつけ、それが受容されたことで何かが満たされたのかもしれません。その後の彼は高校進学、キックボクシング、通信制高校への転校など自己決定が出来るようになったのです。リングに立った彼の姿は本当にカッコ良かった。これが自分の息子かと、不思議な気持ちにさえなりました。自己決定した子は輝き出す。それこそが幸せな人生ではないかと改めて実感した瞬間でした。
そう考えると、私達親の役割とは『いかに子どもの自己肯定感(自己受容感「自分は自分のままでいいと思えること」)を育むか』に尽きるのですね。自己肯定感が育まれた子は、進むべき道を自己決定し、自分だけのオリジナルな人生を歩んでいくようになるのでしょう。そしてもう一つ。「血は水よりも濃い」と言うように、親子関係はいつからでも劇的に改善できるのです。その際に大事なことは親の方から歩み寄ること。決してテクニックという意味ではなく、心から傾聴・相槌・受容・関心・共感を心掛けること。そして必要な場合には素直に謝罪すること。それが出来れば驚くほど短期間で親子関係は改善されることでしょう。
これからもどこへ進むかは彼が決めること。私は伴走者として彼の選択を全力で応援するのみ。立派に育った次男の姿を見ながら、改めてそう誓ったのでした。苦悩しながらも自分の人生と真摯に向き合い、自分だけのオリジナルな人生を歩み始めた彼のことを心から誇りに思います。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
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