9月27日(金)YBSラジオ「キックス」に子ども達と出演します!
こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!
私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。
私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。
そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。
令和5年度の調査結果公表!不登校34万人で11年連続の増加となっています。
10月31日、文部科学省が「令和5年度児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査結果」を公表しました。それによると、全国の小・中学校で令和5年度に学校を30日以上欠席した不登校児童生徒数は346,482人であり、前年度から47,434人(15.9%)増加し、過去最多となっています。在籍児童生徒に占める不登校児童生徒の割合は3.7%(前年度3.2%)に達しました。不登校児童生徒数の増加は11年連続で、10年前と比較すると小学生は5倍、中学生は2.2倍増となっています。
不登校児童生徒の内訳は、小学生が130,370人(前年度比24.0%増)、中学生が216,112人(前年度比11.4%増)となっています。年間の欠席日数が90日以上の児童生徒は190,392人で、不登校児童生徒全体の半数を超える55%を占め、不登校児童生徒のうち約4割にあたる134,368人は、特別支援担当教諭や教育支援センターなど学校内外の専門機関に相談すら出来ていません。
文部科学省による不登校の定義は「年間30日以上の欠席」です。この基準に基づいて上記の集計がされています。不登校児童生徒とは、心理的・情緒的・身体的、または社会的な要因や背景により、登校出来ない状況にあるために年間30日以上欠席している子を指します。ただし、病気や経済的な理由による子は除外されています。病気や経済的な理由がある場合には不登校ではなく「長期欠席者」として扱われるのです。そして、上述した34万人の不登校児童生徒とは別に、長期欠席者として扱われている子ども達が14万人もいます。すなわち、49万人もの子ども達が何らかの理由によって学校に行けていないのです。また、これらの定義には該当しないものの、不登校傾向にある子ども達は不登校にカウントされている子の3倍以上もいると言われています。不登校傾向とは、保健室や図書館などで過ごす教室外登校、体育や図工、音楽など興味のある授業や給食など一部の活動にだけ参加する部分登校(バランス登校)、基本的には教室でみんなと同じように過ごしてはいるものの、学校が辛いと感じていたり、嫌々通っている潜在的不登校を言います。
文部科学省は不登校児童生徒数増加の背景として、「義務教育の段階における普通教育に相当する教育の機会の確保等に関する法律(教育機会確保法)」の趣旨の浸透等による保護者の学校に対する意識の変化、コロナ禍の影響による登校意欲の低下、特別な配慮を必要とする児童生徒に対する早期からの適切な指導や必要な支援に課題があったこと等を挙げています。
ここで、教育機会確保法とは不登校児童生徒が教育の機会を失わないことを目的とした法律で2017年2月に施行されました。不登校により、学習の機会を失ってしまった児童生徒に対して、学校への登校を強制せず、その子に合った学習環境の確保を保障しています。この法律のポイントは以下の通りです。
・休養の必要性が認められている
・学校以外の多様な学びの場を選択できる
・学校復帰ではなく、社会的自立を目指す
・国や地方公共団体と民間団体とが連携し、子どもや保護者に対して必要な情報を提供する
つまり、 どんな子に対しても教育の機会を確保することを主旨とした法律なのです。
教育機会確保法の公布について(通知)
令和5年度も不登校児童生徒数は増加を続け過去最多を更新する結果となりました。全国的にこれだけ増えており、更に調査結果に反映されていない不登校傾向の子ども達のことも考えると、こんなにも生きづらさを抱えている子ども達がいることに憤りを感じずにはいられません。今回公表されたデータの中で特に気になったのは、不登校児童生徒のうち約4割が学校内外の専門機関に相談すら出来ていないことです。私は不登校は問題ではないと思っています。不登校になって、どこにも居場所がなく、自分を責め続けることで劣等感や無能感、自己否定感などのトラウマを抱えてしまうことが問題なのです。どこにも相談出来ていない不登校児童生徒とその保護者の方はどうしているのでしょうか?誰にも相談出来ず、自分を責めてばかりの日々を過ごしているかと思うといたたまれなくなってきます。
上記の通り「教育機会確保法」という法律が施行され、文部科学相はCOCOLOプランという不登校対策を打ち出しており、不登校に対する考え方や対応は以前のそれとは大きく変わっています。しかし、まだまだ教育現場には降りてきていないのが現状です。今回の調査結果を受けて、教育機会確保法第二十条にあるように国や地方公共団体と民間団体との連携を深め、官民一体となって不登校対策を進めていくことが急務であると感じています。私は、真の不登校対策とは、子ども達が学びの環境を選べるようになることだと思っています。その社会の実現に向けて行動を続けていく所存です。
本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたらご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。