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「叱る」or「叱らない」問題について

中西紀説

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テーマ:思想

こんにちは!
中西紀説(なかにしのりつぐ)と申します。どうぞ「のんちゃん」と呼んで下さい!

私は山梨県南アルプス市で不登校児の居場所として体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営しています。

私自身、中学生の時に不登校を経験しました。その時に負った劣等感・無能感・自己否定感がトラウマとなって40歳まで苦しみ続けました。一時は引きこもりとなり、自殺未遂を図ったこともあります。父親となってからは我が子も不登校となりました。フリースクールを始めてからは沢山の子ども達と関わってきました。

そんな人生を通して得た大切な気付きや想いを綴ります。

「叱る」or「叱らない」問題について



今日は「叱る」or「叱らない」問題について考えてみたいと思います。要は『子どもの成長のためには叱った方が良いのか?叱らない方が良いのか?』ということです。これはよく議論されるテーマですね。昔は「子どもは厳しく躾けるもの」というイメージがありましたし、最近では「叱らない子育て」という言葉をよく耳にするようになりました。果たしてどちらが正しいのでしょうか?

私は、これは時代背景や風潮の問題ではなくて大人側の問題だと思っています。つまり、大人が自己受容出来ているか否かの問題なのではないでしょうか。かつて、自己否定感に苛まれていた頃の私は、我が子に厳しい父親でした。子どものことをよく叱っていました。その時の感情や機嫌で叱ってしまうことも少なくありませんでした。自分に対する自信のなさは人を頑固にします。当時の私は「こうでなければならない」「こうあるべきだ」と頑なになっていたのです。ところが、自分のことが受容できるようになって自己肯定感が育まれてくると、良い意味で緩んできます。自分に余裕が出来てくると「こうあるべきだ」という頑なな自分から柔軟な自分へと変わってくるのです。すると、次第に叱る必要がなくなってきて、今では殆ど叱ることが無くなりました。このような自身の経験から思うのは、「叱る」か「叱らない」かは、躾の問題ではなくて大人の自己受容の問題であるということ。人は機嫌が悪いと怒りやすくなるそうです。自分を許せないと人を叱るようになり、自分を許せるようになると叱る必要がなくなってくるのですね。

ちなみに、叱らないとは放置するという意味ではありません。子どもの成長のために大事なことはきちんと伝えますし、ここぞという時には叱ることだってあります。みんなのおうちに通っている子の保護者の方からこんな話を聞いたことがあります。「うちの子が言っていました。みんなのおうちでは何をやっても殆ど叱られることがないけど、たまに叱られることがある。そんな時は必ず理由を説明してもらえるから納得出来るんだと。」子どもとの間に信頼関係が築かれたならば大声で怒鳴ったり、厳しく躾けたりする必要すらなくなってくるのだと実感しています。

自分を許せないから他者も許せない。自分を許せるようになると他者も許せてくる。「叱る」or「叱らない」問題。これはどちらが正しいか悪いかという問題ではなく、「叱る自分」or「叱らない自分」がいるということ。すなわち、私達大人の自己受容の問題なのではないでしょうか。

本日も最後までお読み頂き有難うございました。
もし、お子さんの不登校などでお悩みでしたらご連絡下さい。
私でよろしければ真摯に対応させて頂きます。

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中西紀説
専門家

中西紀説(フリースクールの運営)

一般社団法人ワンオブハート

発達障がいがあるわが子と自身の不登校経験から得た多くの気づきをもとに、体験型フリースクール「みんなのおうち」を運営。子どもの心に寄り添って自己肯定感を育み、主体性を引き出す学びの場を提供。

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