W杯と西日本集中豪雨
~奇跡が起きるのは努力の報い、正しいルールの適用とルールに従った潔さ~
あれから4年…。半端ない!日本代表!!4年待ち続けて、昨夜は最高の気分!!サッカー日本代表がロシアW杯でグループリーグ白星発進。強豪コロンビアを2-1で下しました。開始早々のレッドカード、PKで先制点なんて誰も予測しない展開でした。またこれから眠れない日々が続きます。
もし、大迫選手のゴールが入っていたら…スコアは1対0でPKはない、そのまま11人対11人で試合が進んでいたら…。前半で数的有利にもかかわらず追いつかれて同点にならなければ…。
今回の「サランスクの奇跡」は多くの出来事が重なって起きた、日本にとって初めて南米チームに勝利した素晴らしい出来事なのです。
自分の本コラムの4年前のものを読み直してみました。
4年前のブラジルW杯、サムライブルーともてはやされた青い戦士たちが、コートジボワール代表ドログバやコロンビア代表ハメス・ロドリゲスなどのスーパースターからこてんぱんにやっつけられ、本当に悔しい気持ちでグループリーグ敗退でした。昔、少しだけサッカーをやっていたこともあり、サッカー好きの私もこの4年間、あのドログバがピッチに立った瞬間から日本中が凍り付いたあの空気を忘れないで過ごしていました。
今回は、直前の監督交代などもあり、メンバー選考も前監督の選考した選手やベテラン選手の選択など、とても難しい状況でロシア入りしたメンバーでしたが、色々な雑音を、全員の一体感の醸成と確実な危機管理の練習でなんとか初戦を迎えたのでした。
さて、サッカー解説は専門家に委ねることにして、このW杯初戦から学ぶことが多々ありました。その中でも「正しいルールの適用とルールに従う潔さ」がとても重要だと思います。
ダリル・スコミナ主審は、開始3分、相手ディフェンスのハンドのファウルに毅然とした態度でレッドカードを提示し、退場を命じました。超一流の相手選手を開始3分に退場にするのですから大変なことですが、得点機会の阻止という反則行為は、今回から採用されたビデオ判定を待つことなく正しい判断でした。そして、その宣告に従って粛々と退場したC・サンチェス選手の潔さも正しい行動です。しかも、彼には次戦の出場停止の罰もついていたのです。
その後、長谷部とコロンビア選手とのもみ合いから、相手のフリーキックをキンテーロ選手に決められて同点に追いつかれますが、このファウル判定は主審の誤審と言えそうにも思えました。リプレイでは相手選手が長谷部に当たりにいき、弾き飛ばされたように見え、相手の動きを妨げる不正なタックルではなかったように見えました。相手はファウルを誘おうとシミュレーションの動きを何度も行っていましたので、主審も欺かれたのではないでしょうか。
それでも、日本はきちんとファウルの判定を受け入れて、フリーキックによって失点したのですが、プレー中には主審の判断が何よりも勝るのですから、きちんと両チームと会場全体がこのルールに支配されながら、正しい試合を整然と進行できたわけです。ルール順守こそが当たり前という基本中の基本を学ばされました。
今、日本では、大阪北部で大きな地震が起きていたり、W杯で夢中になっていたりとマスコミ各社が他の報道に忙しいときです。ウソの説明をして県や市から公的なお金を受け取りながら、追及されてもこっそりと記者会見を地方都市で行う方や、一番大事な証拠となるべき公文書を一度ならず数えきれないくらい改ざんしたり隠したり、平気でやったことをやっていないと公言する方々が、正しい主審(国民)の判断を得ないまま、その方たちにとっては大した痛みを感じない軽い処分で済む世の中になってしまったことが良いのかとつくづく考えさせられます。
だから、日大のアメフト事件のときも、潔く非を認めた大学生の記者会見が評価されたのではないでしょうか。我々国民は潔くない方々に対して提示するレッドカードやイエローカードを持ちあわせていないのでしょうか。いやもっているはずです。
きっと今国会の会期延長も、国民の重大な関心を持つ法案の審議も、W杯や国民栄誉賞の報道などでかき消されるのでしょうね。こんなときこそ、山形新聞に頑張ってもらいたいものです。もちろん我々も、主審としてきちんとカードを提示しなければなりません。以上