「介護力」 徘徊事故の妻の責任を考える 後見人の独り言
「介護うつ」にならないために
これまでの我が国の介護は「嫁の仕事」とされてきた。しかし、今や未婚者、晩婚者、一人っ子の増加などから老親を持つ息子・娘に介護の負担が重くのしかかかる時代となってきている。
特に、実の親の介護の場合に「介護うつ」になる人が多いという指摘がある。元気な、明るかった親、優しかった親、頼りがいのある親が、病気で突然倒れこんだり、寝たきりになったり、あるいは認知症になったりすると、そんな親の姿を見て強い喪失感に襲われ「うつ」状態に陥る人が多いのだという。
寝たきりになった親の変貌、認知症の親の暴言、介護をしている自分を認識してくれない親への憐れみや憎しみなどが複雑に絡み合って、「介護うつ」を発症するようだ。
私はお医者様ではないので、「うつ」を治すことはできないが、多くのご相談者様にアドバイスしているのは
1 どんどん自分の弱みを明らかにし、救いを求めているんだよということを素直にさらけだそう。特に、会社の上司やご近所に。
2 とにかく何事にも腹を立てないで、自分でやってだめだったら自治体に助けてもらえるんだと、最後の手段はまだまだあるよと楽観的に考えよう。
3 永遠に介護の日々が続くんじゃない。いずれは介護の終わる日もやってくるし、結果は悲しいけれども、反面明るいリスタートの日がやってくることに望みを持とう。
4 今日は相談に来てくれて(電話をかけてきてくれて)ありがとう。
なんてお話をして、ご相談者の笑顔や明るい声を確かめるようにしています。もちろん相談料なんていただけません。自分も介護の実例の勉強になるんですから。
コラムをご覧の皆さん、絶対ひとりで悩まない、職場に家庭の事情をどんどん持ち込もう。これからの超高齢社会、高齢者介護問題は、企業の人事担当者を悩ませますね。