W杯と西日本集中豪雨
新たな年 行政の信頼回復は…。
昨年からしばらくコラムを書く気力が失せていた。「えっ、なんで」「そんなことあり得ない」「そこまでだったの」「お前が言うか」という社会情勢の激動に私の中の常識が崩れてしまっていた。
新たな年を迎え、色々な方々からの年賀状を拝見し、また、盆も暮れも正月もない自らの高齢者介護の空き時間に読んだ2冊の本で、少し力が出てきたようだ。素晴らしい本で、曇っていた眼がパチッと開いた素晴らしい内容だった。
私は今日まで、行政書士として仕事をさせてもらってきて、大事にしていたことは「根拠」である。
ずうっと昔のサラリーマン時代から、先輩や上司に「根拠は?」と言われて育てられてきたと思う。そして、データや証拠は絶対であるし、法治国家たる以上行政機関が公文書を捏造するなど思いもよらないことと思い込んでいた。
もちろん、今でもこの考えは変わらないし、常に六法を手元に行政機関を相手にする仕事をしている。だから不誠実答弁や捏造データによる法案提出などは、一部の行政機関の一部の担当公務員がこのような不祥事を起こしたものと思いたい。
しかし「ごはん論法」などという流行語大賞の上位にノミネートされた論点ぼかしなどが国会答弁の最中に行われたり、捏造データによる法律審議に至れば、話しは全く別。定まった根拠のないデータを基に新たな法律が出来てしまったら取り返しはつかない。
年明け早々に、良識ある総務省の役人と統計を担当する委員の先生が、厚生労働省の不正データ「勤労統計調査」を明らかにした。基幹統計のデータ集計を変えていたなど常識で考えられない。
厚生労働省は、いつからなのかも曖昧にして、この調査に基づく雇用保険などの過小支給額を明らかにしたが、無くなったデータからどうやって過小支給額が計算できるのだろう?これも厳密には国民に対するウソの数値でしょう。支給手続きに何百億もかかるらしいが税金ですよね。
1月18日山形新聞に「早々処分 幕引き狙う」という見出しが躍った。現在の厚労省の役人が責任を問われ懲戒処分ということだが、それでいいのだろうか。最初に不正を始めた人からずうっと統計法違反で刑事手続きをとるべきなのではないだろうか。まだまだ、行政機関の信頼回復には程遠い。
私たち行政書士は、行政機関の要求する書類を、市民の皆様の代理人として作成している業務でありますから、この行政機関が信頼でき得るお役所であるということが一番大事であり、日々の仕事に影響してくるところです。是非とも、一刻も早い信頼の回復が望まれるところです。
今年、最初に目を覚まさせられた作家名は「真藤順丈」「相澤冬樹」の二名、興味のある方にはぜひおすすめ。