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入澤和志郎

遺品整理士山形県第1号!29年以上の実績を誇る遺品整理のプロ

入澤和志郎(いりさわわしろう) / 葬儀

有限会社 風車

コラム

故郷の実家の片付け 遺品整理

2016年7月29日 公開 / 2021年2月26日更新

テーマ:遺品整理

コラムカテゴリ:冠婚葬祭

コラムキーワード: 遺品整理お墓

前回コラムの文末に紹介させて頂きました、遺品整理作業のお話です。

現場となります依頼主様のご実家は2階建ての大きな一軒屋。ほとんど手付かずのお庭は雑草が生い茂り、植木鉢やコンクリートブロックなどがそこかしこに見受けられます。玄関先のカーポートとは別に母屋つづきの車庫がございましたが、こちらはかなり以前から物置として利用されていたらしく、多数の物品で人が入るスペースがない状況でした。
ご依頼主姉弟で何度か帰省して片付け作業されたようでしたが、皆様それぞれが都会暮らし。仕事や家庭に追われるなかで、頻繁に帰省して片付け作業する訳にもいかず、また、日帰りでの作業ともなりますと、1回の作業時間はごく限られたものになってしまいます・・・・これも現実です。
遅々として片付け作業が進まないなか、実家が空き家となって2年が経過したころに、姉弟でご相談の上、私共への遺品整理作業のご依頼となりました。


近年亡くなられたお母様は骨董好きとのことで、室内いたる所でそれらの品々が見受けられます。屋外に目を向けますと、玄関先や庭の飾り壺や花瓶、植木鉢など生前お母様が収集されたと思われる数々のお品が目に付きます。長年、雨風や積雪のため痛みやひび割れなどの損傷がある物も見られます。
また、庭木や雑草も伸び放題となっており、それらを掻き分けますと、ヤブ蚊などの害虫の棲み家となっておりました。
住人や管理人の居ない住宅はどちらも同じで、建物の傷みが早くなります。また通りから見ても人が住んでいない家というのは一目で空き家と分かってしまうものなのです。

さて、玄関の鍵が届き、ご近所へ片付け作業のご挨拶も済ませ翌日より作業着手となりましたが、まずは外回りの雑草処理から、作業を進めますと庭木や雑草の陰から色々な物が出て来ます。庭の手入れ道具や花瓶に植木鉢、農薬瓶に肥料などなど、相当な物量です。お皿のカケラもあちこちに散乱、意図的に撒き散らしたようにも見えます。


庭作業と並行して室内の片付け作業も進めます。部屋数が多く、また納戸や各押し入れなどの収納も多く、全て物で埋まっております。ガラス食器や陶磁器、民芸品からプラスチック小物まで、本棚には当時は高価だったブリタニカ百科事典が並べられておりました。こちらもよく見かける辞典ですが残念ながら現在では需要も少なく買い取り対象とはならず、申し訳ございませんが処分対象となりました。
そんな中、どちらのご家庭からも大量に出て来ますのが、手紙や年賀状、それにアルバムです。
相続人ですら解らないような婚礼写真やスナップ写真。それぞれに思い出が一杯詰まっており、身内の方から一つ一つ選別して頂きますが、アルバムをめくるたびに、その当時の想い出に浸り、涙される場面も幾度とございました。すべての手紙やアルバムに目を通していては時間ばかり過ぎてしまいます。感傷に浸っているところ大変申し訳ございませんが、作業を続けさせて頂きました。結局、段ボール箱で4~6箱ほど、ご依頼主に確認して頂き、必要な物はお渡ししましたが、それ以外は焼却処理となりました。

室内がきれいになったところでフローリングや廊下、玄関周りなどワックス施工仕上げ。畳部屋もスチーム洗浄処理で見違えるように明るく綺麗になりました。先様へのご報告、お引き渡し後には大変満足され、お礼の言葉も頂きました。
             
お隣さんへの作業終了の挨拶時、やはり庭の伸び放題の雑草や、自宅回りの廃タイヤや瓶、壺から大量発生するヤブ蚊など、以前からかなり迷惑を被っていたようで、お隣さんとはいえ、空き家の敷地内に足を踏み入れて殺虫剤や雑草剤散布したくても、やはり他人様の屋敷で気が引けると大変困っていたようで、すっきり片付けて頂き本当に助かりました、とお隣さんからも感謝のお言葉を頂きました。

作業終了後の写真は・・・こちら

親の家 空き家事情

上記記載に似たような現場は庄内地方でも至る所にあり、数年空き家にしただけで市役所への害虫苦情がご近所から通報されて、相続人への連絡や呼び出しがいく事が多いそうです。近年非常に多い案件となっております。

害虫・・・・・アメシロ・シロアリ・ヤブ蚊・蜂の巣

害獣・・・・・ハクビシン・狸・その他野良猫等

鶴岡市でも毎年新たに100軒近くが空き家になるとか、現在2,800軒超ほどが空き家だそうで、大変気がかりなデータです。

東京などの遠方にお住まいの方で山形の実家の現状が気がかり、お墓の管理が出来ない、自宅敷地内の雑草処理や庭木剪定作業、一軒丸ごと空き家管理など、ぜひ弊社へお任せ下さい。

空き家管理についてのご相談お待ちしてます。・・・こちらへ

空き家を抱える方に朗報

【国土交通省 自治体 これからの空き家対策を発表】
事前にデータベース登録されている空き家を借りた方に家賃の一部を国(自治体)が補助する方針と発表。
借りる方の年収や空き家の現状にもよりますが、いよいよ国も空き家対策に本腰を入れ始めたようです。(推定・・全国に1,000万戸の空き家、空き部屋)

住宅の借りたい方に対し、供給する公営住宅が追いつかない事が最大の要因らしいが、低所得者の住宅環境の改善と空き家の減少を目指す方向で一致。
空き家所有者がその物件を都道府県等の窓口に申請、自治体で建物の審査後に、そのハードルをクリアした物件をデータベースに登録して、お互いの条件一致したところで所有者と賃貸借契約を結ぶ、この様な流れを目指すようです。
家賃も周辺相場より安く設定、また家賃一部を自治体で補助する等物件が安全上リフォームを必要とする場合は、その費用の一部を所有者に補助検討する等その方針を発表した。
国交省幹部談として公営住宅を新たに造るより空き家を活用した方が自治体の負担が軽い、同時に治安悪化対策や空き家解消にもつながる等としている。
(2016年7月23日 朝日新聞より)

朝日新聞の記事を読み、自分なりの解釈で書いてはみましたが現在、親の家など相続し空き家状態の方は自身の故郷の市役所などへ、積極的にお問い合わせしてみては如何でしょうか。

空き家放置にもそれぞれに現実的な問題が・・・解体費用

上記の空き家対策は車でいう高年式車対象?(新車に近い車) それなりに堅牢な造り、多少のリフォーム代修理費で販売や賃貸も可能な物件を対象としているようにも思います。
本当に親の家を相続してどうしようかと悩んでいる多くの方は法的な相続手続きも余り知らず、築40年~60年となった家をいつの間にか相続してしまった方が圧倒的に多い。


実家は経年の放置で雨漏り、屋根や床が壊れかけ、台所や浴室、トイレも旧式。家自体も耐震性や断熱性などを考えれば大変なリフォーム代が必要で、とても都道府県が勧めようとしているデータベース登録など夢のまた夢、現状空き家の0,1~0,2%を対象としているのか、国土交通省の空き家対策も別角度で考える手立ては無いものだろうか?

国(自治体)のリフォーム補助金、どの程度の物件まで補助金が出るのかなど皆目見当も付きませんが、やむなく解体工事ともなれば一戸建解体費用となり、その立地条件にもよりますが庄内地方での在来工法木造建物、現在の相場では坪当り30,000~40,000円。それも年々高額になっております。10年前で坪当り20,000円~25,000円で施工した現場もございましたが・・・・
平均的住宅、建坪35坪位でも105万~140万は現在最低必要です。それに蔵や車庫があれば30万~50万が加算されます。はたまた庭木や石灯籠などなど、全て加算されます。 あくまでも室内に家財が全て無い物として・・
老々相続で自分も今は年金暮らし、生きる事が精一杯でとても親の家の事など考えられない。
「でも何とかしないと・・・」
今のままではご近所さんにも迷惑が掛かる、そのような相談者が圧倒的に多いのが現状です。空き家解体工事費用の自治体助成なども一考願いたいと思います。


「建設リサイクル法と異なる」 「建物リサイクル法」 供託金制度を提案致します


建物(住宅)リサイクル法の制定を国も考える時期なのではと考えております。
新規建築確認申請時に将来の解体費用を予測して供託(積み立て)し、もしくは住宅ローン設定時にその費用も組み込んで貸し付ける。また何人もその積立金は担保出来ないなど考える時期と思います。

現在新築中の住宅や店舗、ビルでも30~50年後は同じ道をたどります。
「その時貴方はどうしますか?」
周りが放置された空き家、店舗、倉庫やビルだらけになります。
今からでも間に合います、これ以上空き家、空きビルを増やさないためにも新築もしくは中古住宅の売買時に解体見込額の上積み契約(もしくはその一部を供託)など、現実的には国が動かないと物事は進みませんが、家電でも車でも随分と昔からリサイクル法はあるのに・・・
放置されて一番困る建物(住宅等)は国も野放し状態です。最後の最後は自治体が税金を使い整理解体するのでしょうか?

人口統計推移を見ましても地方の人口、また自治体税収も細るばかりと思うのですが、これら出費が重くのしかかる事案がこの先来るのでしょうか?
建物共済、損保保険会社などその物件の解体費用を組みした、新たな火災解体保険は販売できないものでしょうか?超えなければならない法的な問題も多数ありますが、国が動き、その約款を一部見直せば可能ではと思うのですが?
皆さんはどうお考えでしょうか?


             

この記事を書いたプロ

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入澤和志郎(有限会社 風車)

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