長年の現場経験から一言 遺品整理にまつわるお話しをいろいろ
実家の遺品整理、ならびに建物の解体見積りの問い合わせが今月に入り2件御座いました。
どちらも、ネットで検索し、故郷山形から遠く離れた都会に居ながらにして、数社に渡って見積りを依頼されたようです。
たいへん便利な時代となりました。
当社のホームページをご覧頂いてからの遺品整理、建物解体見積りの依頼でしたが、作業現場となります庄内地方では暖冬とはいえ、除雪する家人の居ないお宅には建物の周囲に渡って30~50㎝程の積もったままの状態の雪が残されております。
依頼者が遠方の方で現場に立ち会えませんでしたので遺品買い取りや不要品処分見積りは今回できませんでした、解体見積りに付きましても深雪でもあり外から眺め見ただけでは正しい見積りが出来るのか大変不安でしたが、私と委託業者とで何度か現場に足を運ばせて頂きました。
雪の上に確かに足跡らしきものは有りましたが庭先や玄関先までで、裏庭までは足を運んだ形跡は見当たりませんでした。たぶん、同じく見積り依頼のあった同業者の足跡と思いましたが、玄関先までだけで、裏の方へ入った形跡はありません。
裏庭の作業小屋周りの、盛り上がった雪の下に埋もれた庭木、灯籠や庭石などは雪を掘り起こして、ようやく確認出来ましたが、これらを撤去して整地するだけでもかなりの負担と思いますが、他業者さんは何処まで見積りに反映されたのでしょうか?
もう1件のご依頼現場は借地に自宅を建造され代々受け継いできたお宅のようです。
借り受けした土地も広く、屋敷を囲う頑丈なブロック塀、門扉も立派です。さらに独立した車庫に倉庫まで。
大木こそありませんが鳥海石で拵えた前庭と、お稲荷さんが鎮座した奥庭もございました。この物件は確実に借り受けした状態(整地して)借主へお返しするため、結構なご予算となりました。
哀しいかな先代が造りました手入れの行き届いた立派な庭木、庭石、全て撤去作業の廃棄予定見積りです。お稲荷さんも宮司さんよりお祓いののち撤去予定となります。
見積り提示の際にお客様のお話から、どうやら当社で作成した見積り金額は、ネットで見積り依頼した他社様より、2件とも2~3割ほど高かったようです。その業者は遺品整理のポータルサイトを運営する会社と提携する地元建設業者ではないかと予想しますが、2件ともお客様から同じ事を言われました。
「ネットで見積りした業者の金額より高いのですが、どうしてこんなに掛かるのですか?」
お叱りにも近いような質問にも、正直に事細かく、一つ一つ見積り額についてご説明をさせて頂きました。
両現場とも、まずはスコップを使用して雪を掘り起こしては浄化槽、水道メーターの確認やら庭木、庭石の大きさや数量、規模確認、庭隅に積まれ置いてある庭石やブロック、それに残土。
外壁に取り付けある室外機の数からエアコンの台数などなど・・・
積算見積りした内容を詳しくお話をして、両方のご依頼者ともご納得して頂きました。
この業界でよくあるトラブルなのですが、受注後に遺品整理作業、もしくは工事作業を進めてる途中で、
「こんなものが出てきました」
「除去するには追加費用が発生します」
このような不当請求を繰り返し、気が付けば思わぬ高額料金に膨れてしまった。と、言う話をよく聞きます。
お客様からみれば、ネットショッピングと同じ感覚で見積りが一番安いところを選んだつもりが、結果的に高い買い物になってしまう場合があるのです。
意図的に遺品整理業者(解体業者)が見積りを低くして、契約を取り付けているのか、もしくは現場で見積りきれていないのか分かりませんが、その結果として、見積り以上の金額をお客様へ請求、ご負担が掛かることになり、それが口コミとなりネットや新聞、ニュースなどに取り上げられ、業界全体に迷惑をかける事となるのです。
業者をお選びになるお客様には、その会社の実績や業務内容などご確認頂き、決して料金の安さだけに惑わされれないようにして下さい。
本件の見積りのされた先の業者様とは無縁ですが新聞、TV等で報道されるような悪質業者によるトラブル増加を防ぐために、遺品整理業界として業界の健全化、お客様が信頼できる遺品整理士をお選びになる判断材料として遺品整理の優良企業を選定してます。
遺品整理士協会認定企業
2件目のご依頼者様からは数日後にお電話を頂き、さらに詳しく現地でお話を聞きたいと、有り難いお返事も頂いております。見積り金額は他社に比べ割高でしたが、私どもの説明から優良で健全な会社であるとご理解頂けたのではと、大変嬉しく思いました。
まだらボケと認知症
最近訪問させて頂きました買い取り現場でのお話です。
不要品の買い取りも済んだところで、75歳を超えたばかりの同居する義父に異変を感じる時が最近多いとか、そのような相談話から長居することになりました。
聞けば、スーパーの買い物から帰った義父の運転する車が何故か自宅向いの空き地に駐車されており、家に戻った本人に
「何で車庫に入れないの?」
と、問いただすと
「車庫に入れてきた!」
と、一喝される有様。
その後、少し時間をおいて自分で気が付いたのか車を車庫に移動されたとの事。
何事も無かった様なそぶり、その出来事を主人に伝えても相手にされないとか。
義母を看取り3年余り、最近では仏壇に向かう義父の姿もめっきり減り、口数も以前より少なく自宅にこもり気味で尋ね来る友人も無く、以前は出かけていた海釣りも友人を亡くしてからは出掛けなくなり、現在ではあれほど大切にしていた釣道具に触ることも無くなったとの事。
一日中家に居る嫁としては大変苦痛で気が滅入るとのことで、いっその事パート勤めでもやろうかと真剣に考えているとか。
小一時間ほどお話を聞いてましたが、在宅で有りながらも義父が奥部屋から出てくる事はありませんでした。
少し心配しすぎでは、と思いましたが本人にすれば真剣そのもの、ご主人やご兄弟に相談を勧めてはみましたが、以前病院に連れて行こうとしたようですが、その時も大もめになり、それっきりだそうです。
奥さんのお話を聞いている内に、自分の父親の健康状態や精神的な変化にも気づかない無頓着なご主人にも問題あるように感じてきましたが、実子にすると父親の変わり様を認めたくない、見たくない、情けなくも非協力的なそぶりも少しはあるように思いました。
65歳以上の4人に1人は認知症やその予備軍、間もなくその数も700万人~1,000万人との予想数値も出ております。
そんな数値が毎日のように報道されておりますが、何故か本日の買い取り現場の相談者の心の方が病んで行く様で大変心配しながら帰ってきました。
還暦間近な忙しそうなご主人さんのようですが、もっと夫婦で細かな話し合い、近くの民生委員さんや役所の窓口など相談窓口はご案内してきましたがチョット気に掛かる出来事でした。
以前読んだ雑誌から思う
「人間誰しもお金持ちに成りたいと思う」
多くの人がそう思っていると思いますが、以前読んだ雑誌にこんな記事が書いてありました。
「人は晩年に思う事は『金持ち』も大事ですがそれ以上に『人持ち』。質を問わず友人が沢山要るほどボケも認知症も逃げて行く」
そんな記事が書いてるのを思い出しました。
老いては自ら率先して色々な種類の人間と接する、新しい空間に積極的に身を置きその集いに参加し、新たな出会いをつくる。
あれはダメ、これは趣味に合わない、性格に合わない等自ら拒絶する事 → 『NO梗塞』
退職後の人離れ、あの人は嫌い、歳が離れすぎ、行動範囲が決まるなど → 『人脈硬化』
「上手いことを言うな~」
等と思いながらも読みました。
老いても尚新しい物に挑戦する意気込みこそがボケ防止、若返りで「60の手習い」昔の人は平成のこの時代を予言していたかのようで何か新しい物への挑戦して、又新しい仲間をつくり積極的に外に出て行け!そんな風に聞こえてきます。
先日、何十年ぶりかで夫婦でボーリング場へ行ってきました。若い頃を思い出し楽しく、心地よい汗を流し、若者達とその雰囲気を感じてきました。
少し疲れましたが・・・。