自殺対策強化月間にちなむ私の解説が、JIJICO(専門家による ニュースの解説サイト)に掲載中。
無差別の通り魔殺傷事件などが起き、しかもその犯人が捕まっても薄笑いを浮かべ平然としていると、犯人は「サイコパス」との指摘がなされたりします。
また、「サイコパス」というと、ヒッチコックの有名な映画「サイコ」に登場する猟奇的殺人犯や、映画「羊たちの沈黙」に登場する冷酷な連続殺人犯を思い浮かべる人も多いでしょう。
英語の「サイコパス(psychopath)」は、日本語では「精神病質」と訳されていますが、実は現在は、英語でも日本語でも正式な医学的診断名としては使用されていません。現在は「反社会的パーソナリティ障害(antisocial personality disorder/dissocial personality disorder)」がそれに変わっています。ただし、日本語の「精神病質」は法律用語として今も一部に使用されているようです。
なぜ「サイコパス」や「精神障害」が正式な診断名として使われなくなったかの背景には、全ての凶悪犯罪者が「サイコパス」・「精神病質」に当てはまるとは限らないこと、また、その言葉が価値的な意味を持ち、量刑などに影響するのを懸念したこと、などが考えられます。
しかしながら、表現をどうするかは別として、そのような人物が現に存在することも事実であり、どう対応していくかが重要な課題といえます。
興味のある方は、以下のJIJICOにアクセスしてください。
http://jijico.mbp-japan.com/2014/06/04/articles10197.html
村田 晃(心理学博士・臨床心理士)