才能が開花!~集中指導で夢を掴む~
素敵な体験談です。
明日4日から業務始めですので本日3日、駐車場の除雪に赴きました。五福近辺は30cmほどの積雪との情報であります。現着してみれば休み中とあってほとんどバージンスノーの深い雪で覆われています。しかも水を含んだ重たい雪ですので車はたちまち立往生しました。
当館は3台分のスペースを借りていますから「この重たい雪を3台分、加えて入り口から区画までの経路を使える状態にするのは並大抵ではない」と嘆息を漏らしたのであります。数時間は掛ける覚悟でおいおいと除雪を始めました。
意気込みだけは軒昂でありますが如何せん還暦を過ぎて早2年目であります。老体は嘘をつきません。たちまち息は上がり、目は霞み、足はふらふらになってきました。
と、その時であります。
筋骨隆々たる若者が「手伝いましょうか」と声をかけて下さったのです。
見やれば手にスコップをお持ちです。どうやらご自分の駐車スペースの除雪を終えられたところのようであります。お疲れでありましょう。一刻も早くアパートに引き上げて一息つきたいシチュエーションであります。
「いやいや、宜しいです」
「大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃないですけど・・、申し訳ないですから。」
「どうせすることないんです。やりますよ。」
なんて素晴らしい若者でしょうか。小学校の道徳の時間に「困っている人を見かけたら助けてあげましょう」と習います。しかし現実の世界で本当にできるかと言えばなかなか難しいのではないでしょうか。しかも御本人もお疲れのタイミングです。
「じゃあ、お願いします。区画のラインと番号さえ出れば宜しいです」
「あ、分かりました」
延々と30分ほどは作業が続いたでありましょうか。
当館は手前の1台分、若者は奥の2台分を除雪しておられます。既に終わったご自分の車の分と合わせて3台分、水を含んだ重い30cmの雪をスコップでどかし続けるのは重労働です。
当館は疲労困憊でありましたが苦しい息の中から(笑)、色々お尋ねしてみました。
「ハァハァ・・、ご出身はどちらですか?」
現在、富大の県外出身者比率は8割ほどに達しています。富大生といっても富山県人はほとんどいないのです。一番多いのが愛知中京方面です。ということは雪は降りませんので除雪も大変だろうと思ったのです。
「とやまです」
「えっ?」
驚きました。当節は珍しい富山県人のようであります。
そういえば「とやま」の発音が”「と」やま”でなくて”とや「ま」”でありました。
正しい富山弁です。(笑)
「えー じゃあ雪は慣れておられるんですね」
「はい、スキー場の近くですから」
「え? 大山町?」
「はい!」
「じゃぁ雪はお手の物ですね。スキーもされるんですか?」
「はい、しますよ」
爽やかなイケメン殿であります。にこやかな笑顔で苦しそうな表情ひとつ見せずにバッタバッタと雪を攻略していかれます。凄い体力です。
「部活はなんですか?」
「大学ではダンス部です。高校時代は柔道部でした」
ひぇー 道理で溢れんばかりの体力をみなぎらせていらっしゃるんですね。何て頼もしい若者でありましょうか。ジーンと感動してしまいました。
別れ際にお名前を伺いました。
中村さんだそうであります。
コロナ禍の当節、若者に対してとかくの批判も耳にしないではありません。加えて昔ながらの決まり文句に「今どきの若者は・・」なんて枕詞があります。
いえいえ、「今どきの若者は凛として気高くにこやかにしてお優しい」のであります~
中村さんが除雪なさった2台分