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辛酸から栄光へ

上野伸彦

上野伸彦

 
当館は英語と名の付くあらゆることに対応しております。

小学生の英検、中高生の受験、大学生のTOEIC、社会人の英会話や各種資格試験などニーズは多岐に渡ります。
大検生や浪人生もいらっしゃいます。

今般はある浪人生のことを記してみたいと思います。




A君は東京の有名難関私大を志望する2浪生でした。
現役時代、1浪時代と2年続けて夢破れた彼は、2浪目の春に当館を訪れたのです。
その有名大学を一途に志望する彼には真摯な情熱と並々ならぬ気迫が溢れていました。
しかしながら一方で、図らずも2浪生となった我が身に対する戸惑い、今後への不安が垣間見えたのも事実です。

浪人生の辛さは不確実性です。

例えば1年浪人したら必ず確実に志望校に合格するのであれば辛い日々も耐えることができます。
しかし、1年頑張ったからといって必ず受かる保証があるわけではありません。
ましてやその1年に背を向けられた2浪生たちの苦悩には並々ならぬものがあります。
あと1年を積み重ねたとして、本当に結果が出るのだろうかという拭い切れない不安・・

私は大手予備校に勤務していた時代から、浪人生たちを貴いと思ってきました。

大学受験で夢を果たせなかった時、いくつかの選択肢があります。
受験をやめることもできます。決して大学だけが人生ではありません。
ランクを落として「行ける大学」で手を打つ道もあります。
大学全入時代と言われる昨今、選ばなければ大学へは行けます。

しかし、楽な道を拒み、あえてイバラの道へと歩を進める彼ら彼女ら。
自らの限界と可能性に挑む浪人生たちとは如何ばかりか貴いものだと思わずにはいられません。

浪人生は敗者ではありません。
さらなる高みを目指す挑戦者たちです。

今の若者達が老年期を迎える頃、寿命はどのくらいになっているのでしょうか。
90才を越えているかもしれません。
その長い長い人生における1年や2年は決して回り道ではありません。
きれいな服はデパートへ行けば売っています。
しかし浪人生という人生の1ページはお金では買えない貴重な経験なのです。

失敗を知っていること、辛酸を嘗めたことがあること。
その経験こそが人の痛みが分かる大きな人間を作ってくれるに違いありません。


2浪目を共に頑張ったA君は、翌春、見事に志望大学に合格しました。
いかなる時も信念を持ち、強い意志で頑張り続けるA君には敬意を抱いていました。

それから4年が経ちました。

先日、A君が4年ぶりに当館を訪れてくれました。
就職が決まった報告に来てくれたのです。
東京の芝浦に端を発する超一流企業の関連会社です。

見違えるように逞しく大人びたA君。
優しさと自信を兼ね備えた立派な御姿に感動を禁じ得ませんでした。
そういえば、エクザイル系のカッコよさも半端ありません(笑)。
そのままデビューできるんじゃないかというレベルです。

夢果たして社会へと巣立っていくA君の前途に幸多きことをお祈りしております。
おめでとうございました。





すっかり大人びたA君   おめでとうございました!

 

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