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梶澤知恵子(かじさわちえこ) / 皮膚科医

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コラム

円形脱毛症について

2014年3月16日 公開 / 2014年12月6日更新

テーマ:薄毛・脱毛症

コラムカテゴリ:医療・病院

円形脱毛症は急に頭髪が円形に抜け他部分ができる疾患です。
自分では気づかないうちに発生し、美容院などで指摘され来院される方もおられます。
1カ所だけできる場合もあれば多発することもあり、
頭髪以外にまゆや髭、腋毛、陰毛などが抜ける場合もあります。

自然に治癒することが多いですが 小児の円形脱毛症、アトピー性皮膚炎の患者さんに
起こった脱毛症や 全頭型など範囲が広い場合は治りにくい傾向があります。

なぜおこるかという原因は明らかになっていませんが、
何らかの原因で自分の免疫システムが 毛包を攻撃するようになり
脱毛がおこると考えられています。

円形脱毛症の治療法には次のようなものがあります。

・ステロイド外用剤・ステロイド局注療法
円形脱毛症の病巣部では免疫を担当するリンパ球が毛包周囲に浸潤して
傷害を起こしていると考えられることからそれを押さえる目的で使用します。
ステロイド外用剤はクリームやローション剤などを脱毛斑部に塗布します。
ステロイド局注療法はステロイドの注射剤を脱毛部の皮膚に直接注射する方法です。
外用剤などの治療で反応が悪い場合におこないます。
発毛が見られるまで何回か繰り返して治療します。

・局所免疫療法
自然界に存在しないSADBEなどの感作物質(かぶれをおこす物質)を利用して
人工的にかぶれをおこし、免疫担当細胞の分布などを変化させ 脱毛症状を治療する方法です。
まずはパッチテストの要領で 感作物質を体に覚えさせ、その後低い濃度の感作物質を
脱毛部に塗り かぶれを起こさせます。
他の治療で反応が悪い成人・小児例や小児の重症例で おこないます。

その他塩化カルプロニウム、液体窒素、紫外線療法、ミノキシジル外用、
抗アレルギー剤内服、 漢方薬などの治療方法が有り、
症状や治療への反応により組み合わせて行います。
成人の重症例ではステロイドの内服やパルス療法などをおこなう場合があります。

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