組織がフルスロットルとなった状態|最高の戦略教科書『孫子』を読む⑦
世界最高の兵法|孫子の兵法に興味がありませんか?
兵法の代名詞とも言える兵書、『孫子』。この名を聞いて、どんなことを思い浮かべますか?
- 彼を知り、己を知らば、百戦して危ふからず
- 戦わずして勝つ
- 心を攻める
- 兵は詭道なり
- クラウゼヴィッツの『戦争論』との違い
- 風林火山
- 武田信玄
種々様々なものが出て来るかと思います。また、「孫子」で検索をかけるだけでも、非常に多くの書籍が出ていることも分かります。これは、単なる戦術や戦略を説いたものに留まるものではないからこそ、長い歴史のなかで読み継がれてきたのであります。
然らば、載籍浩瀚・氾濫する孫子の解説書のなかで、その真髄を顕したものがいかほどあるでしょうか。全部で十三篇から成るこの兵法ですが、すべてを解説する必要はありません。この兵法の柱・中核となるのは、たったの3つ。
- 五事
- 彼を知り、己を知らば、百戦して危ふからず
- 情報
この3つを極めることが、則ち『孫子』の兵法を極めることになるのですが、そのように解説しているものを小生は見たことがありません。そこで、出版は未定ではありますが、今までにない『孫子』の解説書を完成させた次第です。今までにないとは言いましても、例えば聖徳太子非実在説のような、超訳・珍説・奇説の類のものではありません。然るべき根拠に基き仕上げたものでありますので、安心してください。この孫子の兵法シリーズは、拙著『孫子』に沿ってお話していく予定です。
世界に冠たるこの古典の真髄を学び、ビジネスや人生において役立つ教えを体得していただく。是に過ぎたる願いはありません。
帝王学に関連する古典の関係
東洋における、帝王学に関わる古典の関係性をごく簡単にお話しておきます。帝王学は、四書五経のような儒家系古典群に教えられています。代表的なもので言うと、『論語』や『孟子』などですね。
これら儒家系古典群の教えは、帝王学の教科書『貞観政要』に収まります。逆を言うならば、『貞観政要』1冊に集約されるからこそ、「帝王学の教科書」と呼ばれるのです。そして、この『貞観政要』―なんと、『孫子』が説く「五事」の1つ、「将の利」に収まってしまいます。
拙著『孫子』においてもこのことが反映されており、「五事」の中で最も紙幅を割いています。つまり、この兵法1つを極めることは、『貞観政要』以下帝王学の古典を体得することになるのです。『孫子』の兵法の凄まじさ、その一端なりとも伝わるでしょうか。これをよく理解していた先人の中には、「孫子は兵書というより修身書だ」と喝破していた者もいます。
リーダーシップや組織マネジメント、組織の力を引き出す方法、安定した組織運営などなど…世の経営者やリーダーが求めて止まない、ビジネスにおいても人生においても役立つ知恵がそこにあります。共に、学んでいきましょう。
今回はここまでといたします。



