帝王学を、鈴木貫太郎の奉公十則をとおして学ぼう 3
常に身體を健全に保つ事に注意すべし
これについては、特に取り上げずとも良いかな~と思いつつ…そのまま額面通りのことでありますので。しかし一応触れておこうと思います。
身体が資本
健康を保つことに、リーダーもそうでない者も関係はありませんね。修身―身を修めるという観点からすると、
- 規則正しい生活
- 適度な運動
- 偏らない食事
といったところでしょうか。問題になることがあるならば、「言うは易く行うは難し」で、実践することが難しいになりましょう。
居安思危の組織作り
しかし、どうしても体調を崩したり、急逝したりすることはあります。そんな時、リーダーに頼り切るような体制ですと、リーダー不在というだけで機能不全に陥ってしまいます。そこで、リーダーが欠けるようなことがあっても、問題なく機能するような組織作りを普段から心掛けることが大切です。
大久保利通の偉大な点
薩摩の大物で、明治新政府では内務卿としてまとめていた大久保利通。現在の内閣総理大臣に相当する地位ですが、彼の偉大なところは、急に自分がいなくなっても破綻しない組織作りをしていた点にあります。紀尾井坂の変で暗殺され、トップを突然失った明治新政府でしたが、それで瓦解することはありませんでした。安定している時、平和な時ほど、緊急事態を想定して手を打っておく―これは『貞観政要』に説かれるところの「安きに居りて危ふきを思う」という教えになります。大久保利通の事例で例えるならば、現役であっても、後継者を選定して育てておく―このような対策です。現代でも、経営者やリーダーにそのまま当てはまる原則ですね。これは帝王学において、組織を長久に保つ秘訣の1つになります。
思ったより長くなりましたが、「常に身體を健全に保つ事に注意すべし」というところから、組織作りについてお話しました。今回はここまでといたします。
大久保利通は、「その時歴史が動いた」でも、度々取り上げられる1人です。



