リーダーに求められる、重厚さとは 3
『論語』の有名な一節
今回は、『論語』学而(がくじ)篇の教えをみていきたいと思います。子供の頃、言われた人も多いのではないでしょうか。しかし、この一節を丸ごと見ると、君子論になっていることが分かります。普遍的な内容でありながら、そのまま帝王学となっているのです。
リーダーに必要な重厚さ
孔子は、リーダーには重厚さがなければならないと言います。重厚さには威厳が付随しますので、重厚さがなければ威厳もありません。しかし、重厚さとは何ぞや?
人として軽々しいのは、気さくであること、親しみやすい、豪放磊落といったものとは異なります。
- 落ち着きのない所作
- いい加減な反応
- 取り組み方の雑さ
- たるんでいる顔つき
このようでは、重厚であるとは言えないわけです。当然、威厳もありませんから侮られてしまい、統制も取れません。短い言葉で、孔子はこのことを教えているのです。リーダーのみならず、政治家にも特に求められるものではないでしょうか?
真の威厳
以前にも述べましたが、1口に威厳と言いましても、「ただの威圧」とは似て非なるものです。「人を大事に思う心」があれば「威厳」となり、なければ「威圧」となります。故に、威厳あるリーダーには人が「心服」するのです。最大の組織力を引き出すカギはここにありますが、そのためには「学問」が大切になります。学問教養が力説される所以ですね。
さて、長くなってしまいましたので、今回はここまでといたします。続きはまた次回に取り上げたいと思います。
本日の原文(書き下し文)
子曰く、君子重からざれば則ち威あらず。學べば則ち固ならず。忠信を主とし、己に如かざる者を友とすること無かれ。過ちては則ち改むるに憚ること勿かれ。(吉田賢抗・著『論語』)25頁




