リーダーに最も必要となるもの|最高の戦略教科書『孫子』を読む⑪
NHKの傑作
かつて放送されていた「プロジェクトX」。これは「その時歴史が動いた」と双璧を為す、NHKの傑作番組です。筆者は当時、毎週欠かさずリアルタイムで見ておりました。「プロジェクトX」は個人に焦点を当てながら、「組織としての動向」に力点を置いた構成になっています。「組織と群像」という言葉がピッタリ合いましょう。
- クラウン開発
- 「神話」と言われていたアメリカ・ゼロックスの特許網突破
- 関西圏の電力需給を救った黒部第四ダム(黒部ダム)建設
- 地下鉄サリン事件で多大な役割を果たした聖路加国際病院
- ゼンリン住宅地図作成
- 帝国水産統制(現・ニチレイフーズ)マイナスからの逆転劇
- 姫路城修復
- 桂離宮修復
筆者からすると、帝王学が実際の事例として凝縮されたものになっており、仮に「プロジェクトX」を題材に大学で講義をもつならば、これだけで1年はかかりましょう。手元には、帝王学に資する部分を抜き書きした資料が、結構な分量として存在しています。
帝王学の事例集としてのみならず、昭和の通史として、また現在は大企業となっている会社の生みの親―創業者たちの経営哲学や経営理念の教科書として、その有用性は計り知れないものがあります。故に、ビジネスや教育のセミナー、経営コンサルティングなどに資する教材・資料となるのです。チーフプロデューサーが今井彰だったからこそ、これほどの番組となったのでありましょう。
「プロジェクトX」もまた、コラム記事で取り上げていきたいと思います。是非、当時の放送や書籍版にも興味をもっていただきたいところです。
蔵書 『プロジェクトX』全巻



