評判の良かった知事を釜茹でに!?斜陽国家を盛り返した名君・齊の威王
矛盾する3つの作戦を採用して大戦果!?
本日、県民ふれあい会館の小研修室にて中国古典に学ぶ会を開催しました。候補を3つ用意しての開催でしたが、タイトルに記載の1つで、時間切れになってしまいました。90分近くになってしまったこのお話、すべて文字起こしはできませんので、簡単にご紹介します。
人の弱味につけこむ、齊の湣王
今回の主人公・楚の襄王がまだ太子だった時のこと。齊に人質として送られていましたが、父である懐王の逝去に伴い、帰国の必要が…ところが、強欲な齊の湣王は、楚に帰国したいなら「東方の地方500里」を寄越すように迫ります。なす術がない太子は、即位した暁には土地を献上する約束を交わし、帰国に漕ぎ付けました。
バラバラな3人の献策―慎子の作戦
さて、即位したまでは良かったものの、齊の湣王からさっそく約束の履行を求められます。困った襄王は守役の慎子(しんし)に相談。臣下から意見を求めることになったのです。3人から案が出ましたが―
- 子良―土地は与える。然る後に奪い返す。
- 昭常―土地は与えない。件の土地を守備する。
- 景鯉―土地は与えない。秦に救援を要請する。
なんとバラバラの案になっており、一見すると採用できたものではなかったのです。頭を抱える襄王に対し、再び慎子がこの件を引き受けます。その作戦とは、この3つの案を採用するというものだったのです。
3計合一作戦・概略
まず、子良を齊に派遣。東方の土地500里を献上します。次いで昭常に命じて問題の土地に軍を展開し、守らせます。並行する形で、景鯉を秦に派遣。救援を要請させます。
齊の湣王は、約束の土地に軍が駐屯しているのをみて、怒ります。楚は「司令官の昭常が独断でしたことなので、攻め取ってもらって構わない」と説明、真に受けた湣王は国境付近まで軍を動員します。
一触即発状態のなか、秦軍が50万の兵を率いて救援に到着。齊の不仁・不義を非難し、手を引くよう圧力をかけます。さすがの齊も、秦・楚の連合軍を相手にできる力はなく、おとなしく引き下がったのです。バラバラの案を採用し、1つの計略として練り上げた慎子のおかげで、楚は土地を奪われることなく、戦火を交えることもなく、落着させることができたのであります。
帝王学―意見を求める「兼聴」の重要性
流れを話し終わった後は、教訓パート。今回は、『貞観政要』にある意見を求める際の要諦・兼聴についてお話しました。
疑問点や質問に答え、さらに『孫子』などの解説をする内に、あっという間に時間が経過。本日はそこで終了となりました。
この「中国古典に学ぶ会」は一般向けを想定したものではありますが、
- 「史書」に焦点を当てるか
- 「経書」に焦点を当てるか
主な相違点はこの2点で、中身は「帝王学」である点は共通しています。したがって、企業関係者の方でも学びは尽きないものとなっております。垣根は設けていないので、興味がある方は是非ご参加ください。
作戦解説中の様子



