帝王学が教える、リーダーの智愚を分ける要素
信用は毎日の積み重ね
経験や技術といったものではなく、リーダーに最も重要な要素は「信用」です。帝王学を突き詰めたところにあるのは、まさしくこれになります。前回は簡単にお話しましたが、今回はその続きです。
信頼というものは、突然得られるものではありません。また、一気に得られるものでもありません。毎日の小さなことの積み重ねで、「人から与えられるもの」が「信頼」です。
信用なるものは、築こうと思えば尋常ではない時間と手間がかかる一方で、崩れるのは一瞬です。たとえ小さなものであっても、約束を一つ破るだけで、土崩瓦解(※)するものになります。そんなことは言われなくても分かっている―そんな声が聞こえてきそうでありますが、言うは易く行うは難し。実践しなければ分からないことは少なくありません。
こんな取り組みをしてみよう
では、信用とは如何にして与えられる・築くことができるのか。渋沢栄一も座右の書としていた、『論語』から見てみましょう。
間違いは素直に認め、改めるよう努力しよう
人間である以上、過ちを避けることはできません。ゆえに、過ちをしないよりも、間違えた先の行動こそ大切になります。
過ちをしたならば、言い訳をせずに認め、すぐに改めるように心掛けることです。誤魔化そうとして嘘をつくと、事実と整合性が取れなくなるため、さらに嘘を上塗りしなければなりません。必ずいつか露見することになりますが、その時は既に手遅れです。ゆえに、過ちには気を付け、してしまった場合でもはばかることなく改める努力をする―これが信用へつながっていきます。
約束は守る
当たり前と言えば当たり前ですが、これがなかなか難しいものです。大きな約束は、意識せずとも守ろうとしますが、小さな約束は、そうはいきません。100万円借りたことを忘れる者はいないでしょうが、100円ならばどうでしょう。後日督促されてようやく思い出し、「たかだか100円くらいで…」と不満に思う―普段からこのようでは、信用されるには程遠くなるわけですね。「借りる時の恵比須顔、返す時の閻魔顔」とはよく言ったものです。小さな約束ほど意識して守る。これは、大きな信用につながっていきます。
今回のまとめ
いかがでしたでしょうか。簡潔を旨としてお話するよう心掛けていますが、信用というものについて、共感してご理解いただけますと幸いです。今回はここまで。内容を簡単にまとめておきましょう。
- 信用とは、人から与えられるものである。
- 信用とは、日々の小さな積み重ねが大事。
- 過ちを認め、改めるように心掛ける。
- 小さな約束ほど意識して守る。




