組織運営や人材招致・教育・育成などに悩む、経営者や管理職が最後にたどり着く古典―それが『貞観政要』や『孫子』です。
最近よく「帝王学」という言葉を耳にする他、学びたい・興味があるといったお声をよく聞きます。経営者やリーダーといった方々が特に求めて止まないこの言葉―今回は、切り口を変えてお話しましょう。
帝王学とはこんな学問
「帝」は「皇帝」。「王」は「国王」。「学」とは「学問」。したがって「帝王学」とは、「皇帝や国王といった君主が身につけるべき学問教養」を言います。
帝王の序列
国際的な権力(権威)のヒエラルキーは、皇帝(emperor)>国王(king)>大統領(president)>首相(primeminister)となっています。つまり、およそ権力と言われるものの中でも最高クラスの地位―そこにある者のための学問なのです。
皇帝や国王が務まるならば、どんな組織の長も務まります。大なり小なりの違いがあれども、「国家」という巨大な枠組みの中においては、
- 人間関係
- 組織の円滑な運用
- 1従業員から中間管理職、1部門の長との接し方
- 意思決定のやり方
- 人材登用
- 人材育成・教育
- 役職への人選
- 市場・販路の拡大
- あるべき姿勢
- 心掛けるべき言動
などなど、求められる要素は非常に多岐にわたります。今日であれば、そっくりそのまま経営者や首長といった立場に相当します。「帝王学」とは、このようなことを教える学問。ゆえに、いつの時代も「帝王学」の需要が尽きることはないのです。そして、それが凝縮されているのが『貞観政要』という中国古典になります。この典籍が「帝王学の教科書」の名を持つのは、偏にこれがためです。
『貞観政要』の魅力
『貞観政要』は、例えば「この時はこうする」といった、具体的なマニュアルのような書かれ方はされていません。その書き方は局地的に役立ちますが、状況が変わると柔軟な対処がききません。
「時代を問わず通用する基礎」
これがこの書の魅力です。まずはこれを理解することが、機に臨み変に応じる―変幻自在な力を引き出すことへつながるのです。
この魅力を最大限に引き出し、独自の経営理念や経営哲学を確立させた経営者が1人でも多く出ることを願います。