帝王学が教える、リーダーの智愚を分ける要素
初めまして。株式会社因幡古典探究舎の都泰寛と申します。
私が教える「教育や人材育成に資する要素」は、中国古典『貞観政要』と『孫子』の2本立てとなります。
一体、どんなことに、何の役に立つのか―中国古典の叡知、ここで簡単にではありますが、お話していきたいと思います。
両者をそれぞれ1言で
〇『貞観政要』…「修身」
〇『孫子』…「彼を知り己を知らば百戦して危うからず」
『貞観政要』
「帝王学の教科書」の異名をもち、古今多くの君主に読まれてきた1冊です。現代の著名な愛読者としては、京セラの故・稲盛元会長が挙げられましょう。指導者の要諦が凝縮されている古典ですが、「修身」の1言で表すことができます。最上位の指導者に向けられた内容であるにも拘わらず、年齢や性別を問わず、広く学ぶべき普遍的な「人の道」が説かれます。
『孫子』
兵法の代名詞として、世界的にも名が知られる兵法書です。言わずと知れた著名な古典ですね。最強の兵法の名にふさわしい教えが凝縮されている古典ですが、「彼を知り己を知らば百戦して危うからず」の1言で表すことができます。全12篇から成りますが、わずか3つの教え―3本柱が要になっていることを教える解説書はありません。
『貞観政要』の教えは、『孫子』のある1項目に収まります。次回はそこに触れたいと思います。奥深い中国古典の知恵を共に学んでいきましょう。
幕末の先達曰く、「教授すること能わざれども、君らと共に講究せん」―



