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【投資初心者必見】グロース株・バリュー株ってなに?特徴とその見分け方を徹底解説!

2022年7月15日

テーマ:株式投資

コラムカテゴリ:お金・保険

コラムキーワード: 投資信託資産管理年金対策


みなさん、こんにちは。WealthLeadの薄井です。
今回はグロース株、バリュー株についてお話していきたいと思います。

<グロース株>

一言でいうと「成長性の高い会社」のことを言います。
企業成長する会社、業績が伸びる会社。このような会社をグロース株と言います。

例えば現在の時価総額が1000億円で利益が10億円出ている会社があったとして、将来、利益が50億円になるとすれば、当然時価総額も上がります。
1000億円だった時価総額が、5000億円や、それ以上にもなるかもしれないと思えば、みなさん投資しますよね。
グロース株は、将来、出るであろう利益や、これくらい成長しているだろうという期待感が、現在の会社の価値に上乗せされて取引されているので、株価は当然割高になります。

<グロース株のメリット>

大幅な株価上昇が期待できる
グロース株は創業間もない新興企業や、市場が成熟しきっていないビジネスを展開している企業の場合が多いです。そういった企業が高い成長率を維持しながら、のちのち大企業になったり、市場のシェアを大幅拡大ができれば利益も大きく伸びますし、投資家として得られるリターンも大きくなります。代表的なのがAmazonやtesla。株価が10倍になるテンバガーも夢ではないことから投資家人気も高いです。

長期投資では短期的な値動きは気にしなくてよい
グロース株にあたる会社は今日明日で利益を伸ばしたり、倍にすることは不可能です。いつかきっとを期待して投資しますので、目先の上げ下げには一喜一憂せずに長い目線でリターンを獲得しましょう。ただし、その会社の財務状況や、決算報告などにはしっかりと目を通すようにはしてください。その企業が今後も成長率を維持できるかどうかはちゃんと見極めることが必要です。

<グロース株のデメリット>

企業価値が算定しにくい
色々な投資家の色々な期待が交錯して取引されるので、先ほどの例でいうと、将来の利益が50億円になるだろうと計算して投資したとしても、人によっては、いや70億だ、20億だ、となることもあります。もちろんどれも不確定要素であり、将来になってみないと分かりませんが、その会社を買いかぶりすぎて、思っていた成長が見込めなかったということもあり得ます。

株価の大幅下落
グロース株は、将来の業績、それもかなり先の業績を見越して株価が付いているので、先ほどの通り、現在の業績からすると割高になっています。何かのきっかけで、株価が急落するケースが少なからずあります。
グロース株は、上がるときは大きいけれど、下がるときも大きく下がると覚えておいてください。

<バリュー株>

バリュー株は一言でいうと「割安な会社」です。何と比べて安いかというと、利益や純資産などで評価した企業価値と比べると株価が割安に放置されている銘柄のことを言います。

<バリュー株のメリット>

配当が期待できる
バリュー株に該当する会社は成熟企業が多く、出た利益を設備投資ではなく、配当に回す傾向が多くあります。

値動きが小さい
そもそもが割安となっているので、グロース株と違って過熱状況になるということが少なく、値動きも小さい傾向があります。

<バリュー株のデメリット>

銘柄選定が難しい
その会社が割安かどうかを判断するためには、その会社本来の価値を適切に見極める必要があります。企業価値を判断するには一定の知識と経験が必要になるため、初心者の方には難しく感じることがあります。

バリュートラップがある
バリュー株の中にはいつまでたっても株価が上がらない会社も多くあります。理由としては、その会社のガバナンスの問題であったり、そもそもビジネスモデルが魅力的でないことが挙げられます。純資産がいくらあっても時代の波に乗れずに赤字を膨らまし続けていたら企業価値は下がりますし、当然その会社の株価は上がることはありません。

ここまで、グロース株とバリュー株の解説をしてきましたが、話の中で割安とか割高とかよく出てきました。そんなの判断できないよって方、いらっしゃいますよね、安心してください、今からそれを大まかに判断の方法を解説していきます。

<見分け方>

企業が割高か割安かを判断するにはまず、この2つを見てください。

PER、成長率

この2つを比較することで大まかに割安か割高かを判断することができます。
PERは、現在の株価が1株利益の何倍の水準まで買われているかを表す指標で、
「PER=株価÷1株当たりの利益」で計算することができます。
PERで割安か割高かを判断するというのはご存じの方も多いかもしれません。しかし、PERだけで判断していると思わぬ落とし穴に落ちてしまします。その理由も含めて、なぜ比較する必要があるのかを説明していきましょう。

ここで質問です。A社とB社は、投資対象としてはどちらが割安でしょうか?

A社:1株利益100円、株価1,500円(PER15倍)
B社:1株利益100円、株価3,000円(PER30倍)


まず、A社へ投資した場合は、 初年度に100円、1年後に100円、2年後に100円と順調に利益を稼いでいけば、15年後には元が取れる計算です。
続いて、B社へ投資した場合は、同じように利益を稼いでいったとしても、元が取れるのが30年後になってしまいます。当然、短い年数で投資資金を回収できるほうがお得なので、PERの数値が低いA社のほうが割安と判断できまね。実際には株価は上がったり下がったりしているので一概には言えませんが、PERは現時点の株価が何年先まで見ているのか、織り込んでいるのかを図るには適した指標になっています。
ここまではイメージしやすいと思います。

しかし、これは企業の成長率を加味しない場合です。実際は、利益成長のない企業、毎年利益が増える企業や、毎年利益が減る企業などさまざまあります。そして成長性が変われば、PERの見え方も大きく変わってきます。

このような場合はどうでしょうか。

A社:1株利益100円、株価1,500円(PER15倍)利益横ばい
B社:1株利益100円、株価1,500円(PER15倍)利益10%アップ
C社:1株利益100円、株価1,500円(PER15倍)利益5%ダウン


利益が横ばいのA社はさっきと同じで15年で元が取れる計算になります。
B社は毎年利益が10%ずつアップしていくので、初年度100円、1年後に110円、2年後には121円となりますので、10年もかからずに元が取れますね。
一方の毎年利益が5%ずつ減ってしまうC社は、初年度100円、1年後95円となり、最終的に元を取れるには28年もかかってしまいます。3社を比較すると、

A社: 標準
B社:割安
C社: 割高


利益が伸びないA社や、減益が続くC社よりも、毎年利益が増え続けるB社の方が圧倒的に元手を取り返すスピードが速いですね。このように同じPERでも成長率によっては割高、割安の判断が変わってきます。そのため、PERと成長率の両方を見ることが大事なんですね。

もしPERだけを見て割安や割高だと判断してしまうと、このような弊害があります。

・PERが高すぎるから買うのをやめておこう
・とりあえずPERが低い銘柄を買っておこう



日本市場におけるPERの標準の数値はおおよそ15倍とされています。
よくありがちなのが、気になる銘柄を見つけた際に「うわっPER髙すぎ。こんなんじゃとても買えないよ!」皆さんも経験あると思います。投資家人気の高いグロース株でよくあることですね。

でも、中にはPERが高くても買いに値する銘柄が存在します。先ほどの説明を聞いた皆さんならもうお分かりになると思いますが、高成長を続ける銘柄は現時点のPERが高くても、将来しっかりとリターンを得ることができ、「あの時買っておけばよかったー」という機会損失を防ぐことができます。

PERが100倍の場合で考えてみましょう。

A社:1株利益100円、株価10,000円(PER100倍)利益横ばい
B社:1株利益100円、株価10,000円(PER100倍)利益20%アップ
C社:1株利益100円、株価10,000円(PER100倍)利益40%アップ



通常PERが100倍となるとちょっと買うのをためらってしまいますよね。そんなとき成長率を見るのがとても重要です。
まずA社の場合、取り戻すのに100年もかかってしまいます。普通の人は100年も待っていられません。それが毎年利益が20%アップするB社になると16年に縮まります。40%アップするC社になれば11年で元が取れることになります。

つまりグロース株投資において重要なのは、割高と言われる企業がしっかりとした高い成長率が続けられるかどうかということです。そのためには強いビジネスモデルが必要不可欠です。なので、決算書をよく読んで財務状況をしっかりと把握しておくこと、そしてビジネスモデルが市場のニーズにきちんと応えているのかを見ることが大切です。
ただ、この例は成長率が何年も維持できていることを仮定して計算しています。どんなに成長する良い企業でもどこかでその成長は止まります。現時点の株価は市場がどれくらい先を見越して値がついているものなのか、そして自分がその企業をしっかり調べた結果、この企業だったら何年先までだったら見据えることができるとなるのか。それが合致すれば、今は割高だと言われる銘柄だったとしても、将来的には充分な投資成果を得ることができるでしょう。逆を言えば、しっかりと高い成長率を継続できる会社であればたとえPERが100倍だったとしても変えるということになります。

一方で、バリュー株に投資をする際にPERが市場標準より低いからと言って安直に買ってしまっては、バリュートラップに陥る一方です。ここでもPERだけを見るのではなく、成長率を見ることはとても重要です。
バリュー株はグロース株と違って成熟企業なので、大きく成長するというのはあまり見込めませんが、それでもきっちり利益を維持できているか、減益を続けてはいないか、という観点で銘柄をチェックするようにしましょう。

また、バリュー株についてはPBRと呼ばれる指標もチェックするようにしましょう。PBRとは
PBR=株価/1株当たり純資産
このような式で表され、解散価値と言われています。純資産というのは資本金と資本剰余金、そして、その企業が稼いだ利益剰余金になります。この純資産は外ならぬ株主のものであり、株主が最終的に受け取れるお金になります。このPBRが1倍以上か、1倍を切っているかで割安かどうか判断でき、本来は1倍以上が企業として正常な姿とされています。
PBRもあくまでも1つのデータであり、他の指標と組み合わせて参考にするのがよいでしょう。

<まとめ>

・グロース株とは、成長性の高い企業のこと
・バリュー株とは、本来の企業価値と比べて株価が割安な企業のこと
・PERと成長性をみて判断する


今回はバリュー株、グロース株の2つとその見分け方についてお話しました。
今回お伝えした見分け方についてはほんの一面にしかすぎません。為替の変動や市況の変動など様々な要因で増えたりも減ったりします。それでもこのコラムを見て、皆さんが納得のいく投資ができれば幸いです。

今回のコラムはYouTubeでも配信しています。ぜひご覧ください。

この記事を書いたプロ

濵島成士郎

真にお客さま側に立つファイナンシャルアドバイザー

濵島成士郎(株式会社WealthLead(ウェルスリード))

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