会社設立直前に読むべき!資本金を借入に頼るときの心得

中野裕哲

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テーマ:起業

資本金を借りるってあり?起業準備で押さえるべきポイント全解説


こんにちは、起業コンサルタント(R)、税理士、特定社会保険労務士、行政書士の中野裕哲です。

今回は、「資本金を借入でまかなっても大丈夫?」というテーマで、会社員から起業を目指す方に向けて、実務の現場感覚も交えながら徹底解説していきます。

資本金と聞くと、
「自分のお金で準備しないとダメなのでは?」
「借金で資本金にするのはまずいのでは?」
と不安になりますよね。


ズバリ言います。
資本金を借りて準備すること自体は、法律上「絶対ダメ」というわけではありません。
しかし、そのやり方によっては大きなリスクになり、融資や信用面で不利になることが多いのが実務の現実です。


この記事では、
そもそも資本金とは何か、
借入に頼る場合のリスクや注意点、
日本政策金融公庫(公庫)や銀行がどう見ているのかまで、

起業準備の段階で押さえておきたいポイントを、ズバリ丁寧に解説していきます。

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資本金とは何か?役割と重要性


資本金とは、会社を設立する際に、出資者(株主)が会社に拠出するお金のことです。
会社の「体力」や「信用」を表す重要な指標で、次のような役割を持っています。

  • 会社の信用力を支える(取引先や金融機関が最初に見るポイント)
  • 融資審査での評価基準になる(自己資本がどれくらいあるか)
  • 会社設立時の登記に必要になる


会社法上、原則として資本金はいくらからでも設立できます(1円でも設立可能)。
ただし、資本金の金額は、そのまま事業の信頼性や資金繰りの余力に直結します。

資本金=起業への本気度・覚悟
と金融機関や投資家から見られることも、実務では少なくありません。

資本金を「借りて」調達するという選択肢


起業準備中の方の中には、次のように考える方もいらっしゃいます。

  • 自己資金が足りないから、借りて資本金にしたい
  • とりあえず借金で資本金を膨らませて、見栄えを良くしたい


たとえば、資本金の原資として考えられるのは次のようなケースです。

  • 家族や友人・知人からの借入
  • 消費者金融やカードローン等の個人借入
  • 起業前後に受けた融資の一部を出資に回すケース



結論から言うと、「借りたお金で資本金を用意する」ことは形式上は可能です。
しかし、その資金は会社にとっては資本金でも、あなた個人にとっては返済義務のある負債です。


資本金を借入で水増しして信用を良く見せようとするやり方は、非常に危険であり、場合によっては法的リスクや信用失墜につながります。

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借入金で資本金を用意する主なリスク


1.金融機関からの信用力の低下


金融機関の目線では、
「実は借りたお金で資本金を作っている」状態は、次のように映ります。

  • 実質的な自己資金が少ない
  • 返済義務のあるお金で見かけ上の資本金を作っている
  • 資金計画・資金管理の感覚に不安がある


特に、公庫や銀行の創業融資では、
「返済義務のない自己資金」をどれだけ用意できているかが重視されます。

2.「見せ金」とみなされる危険性


最も危険なのが、いわゆる「見せ金」です。


一時的に誰かからお金を借りて口座に入れ、
資本金として登記を済ませたら、すぐに返してしまう


このような行為は、資本金を仮装しているとして問題になります。
悪質な場合、公正証書原本不実記載等罪に問われる可能性もあり、絶対に避けるべきです。

3.融資審査で疑われるリスク


融資審査では、次の点がチェックされます。

  • 設立時の通帳の入出金履歴
  • 出資者と会社のお金の流れ
  • 設立後の返済状況


設立直前の不自然な入金や、すぐに同額が出ていく動きは一目瞭然です。
「見せ金では?」と疑われると、融資は非常に厳しくなります。

日本政策金融公庫の視点:自己資金と資本金


公庫の創業融資では、「自己資金」を非常に重視します。

自己資金として評価されやすいもの


  • 貯金・退職金・積立など返済義務のないお金
  • 事業のために既に支出した設備資金(条件あり)


評価されにくいもの


  • 親族や知人からの一時的な借入
  • カードローン・消費者金融の借入
  • 申込直前の不自然な入金



通帳に入っている=自己資金、ではありません。
「どうやって貯めたか」という履歴が重視されます。


税務上・登記上のポイントと注意点


資本金は「出資された金額」として登記されます。

  • 会社にとっては資本金(純資産)
  • 出資者個人にとっては、借入なら負債


特に注意したいのは、短期的な借入を繰り返すケースです。
これは「見せ金」と判断されるリスクが高くなります。

また、親族からの支援については、

  • 借入 → 借用書・返済条件を明確に
  • 贈与 → 年110万円超は贈与税に注意


後から説明できる状態を作っておくことが重要です。

安心して資本金を準備するための実践ステップ


ステップ1:1年前から積立を始める



ズバリ言います。
一番安全で強い方法は「時間を味方につける」ことです。


  • 月3万円×1年=36万円
  • 月3万円×2年=72万円


この積立履歴は、融資審査で高評価されます。

ステップ2:起業用口座を分ける


  • 自己資金の履歴が一目でわかる
  • 計画的な準備をアピールできる


ステップ3:親族支援は「形」を整える


贈与か借入かを明確にし、必要な税務対応・契約書整備を行いましょう。

ステップ4:専門家と相談する


税務・法務・融資が絡むため、早めの専門家相談が安心です。

起業前にやっておきたい3つの準備


  1. 信用情報(CIC・JICC)の確認
  2. 収支シミュレーションの作成
  3. 公庫・創業支援機関への相談


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FAQ:資本金借入に関するよくある質問


Q.全額借入で資本金にできますか?

A.形式上は可能な場合もありますが、融資審査で大きなマイナスになり、おすすめできません。

Q.親からもらったお金は?

A.贈与であれば可能です。ただし贈与税や説明責任に注意が必要です。

Q.資本金はいくら必要?

A.

  • 自宅開業の小規模事業:100〜300万円
  • 店舗・人を雇う事業:300〜500万円以上


まとめと中野からのエール


  • 資本金は起業家の覚悟と信用を示すもの
  • 借入による見せかけの資本金は厳禁
  • 創業融資では返済不要の自己資金が評価される
  • 時間を味方につけてコツコツ準備するのが王道



ズバリ言います。
見せかけの資本金より、本物の自己資金を積み上げた会社の方が、必ず強くなります。


起業という大きな挑戦、ぜひ一緒に現実的かつ安全に進めていきましょう。
不安があれば、専門家に相談することも立派な一歩です。

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