【適正な設備投資とは】

中野裕哲

中野裕哲

テーマ:起業

今回は、【適正な設備投資とは】について解説していきます。

経営をしていく上では、事業発展の為に適宜設備投資を行っていきます。特に、新規事業ともなれば基準がありませんので、どの程度の設備投資が適正なのだろうか?そんな悩みをよく聞きます。
結論として、絶対的な「正解」はなく個々によって全く違ってきます。創業期と成長期の2つに分けて解説したいと思います。

<創業期>
創業期でよくみられるのは、「夢」のような設備投資です。これから起業するので、あれもこれもといった想いや夢が溢れて事業計画がどんどん膨れ上がっていってしまうケースです。
特に、飲食店起業に多く、お店の広さやデザイン、最新の厨房機器、その他備品についても街の繁盛人気店と同様をイメージされている方がおります。
この計画自体は、自己資金で行うのであれば大賛成です。しかし、金融機関から融資を受けて開業するのであれば考え直した方が良いのではないか?とアドバイスをしたくなります。
一般的な金融機関の考え方としては、まずは、小さく創めて安定的な売上や利益が上がるようになった段階で、2店舗なのか・もう一回り二回り大きな店舗へ移動する流れをイメージしています。
2,000万円を超えるような大きく設備投資を行なえば、売上規模も必然的に大きくなりますが、必ず繁盛する保証もありません。ともすると、毎月のランニングコストだけでもかなりかかってきますので、金融機関としては、返済がきちんとできるかどうか不安になります。
逆に、500~1,000万円までの設備投資でしたら、事前に用意した自己資金と合わせても余裕のある経営ができます。どちらにお金を貸しても大丈夫かは一目瞭然ですね。

<成長期>
成長期では、既存事業の売上・利益ともに比較的順調に推移してきているので、新たな事業を興し更なる基盤拡充を図りたいといった意向が多いです。
最近では、フランチャイズに加盟して既にパッケージ化しているビジネスを始める会社も多いです。また、レンタルオフィスやシェアハウスなど長期的に息の長い業種を選択するケースも増えています。
では、成長期の企業が行う設備投資において注意すべき事は2点あります。

1点目は、既存事業で利益が出ていることです。既存事業が安定していて、且つ新規事業によって更なる発展を目指す前向きなケースは良いと思います。金融機関から見ても利益が出ているので返済に対する
懸念はないものとみてくれます、逆に、既存事業が赤字で新規事業となると後ろ向きなイメージがついて回りますので融資を受けるのは難しくなります。

2点目は、既存事業に影響がないことです。新規事業を創めた途端に既存事業の売上・利益共に下降を辿るようでは本末転倒です。特に、クライアントとの契約によって事業を行っている場合には新規事業に注力しすぎて、既存事業の仕事が無くなってしまっては創めた意味がなくなります。あくまで、既存事業+新規事業でシナジーを生み出していくような設計が1番よく、金融機関から融資を受けるのであればなおさらの事です。

以上となります。設備投資もステージによって考え方も変わってきますので注意が必要ですね。

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