テーマ1:特定天井の鉄骨工事はむずかしい?
それでは、実際の準構造化の鉄骨工事のながれについて、書いてみたいと思います。まず、現場を見に行きます。なるべく早めに、劇場内からでも良いので確認することが重要です。次に天井内の確認が可能であれば、こちらも早めに見ておくことが大切です。
工期が開始してから、まず足場の組立が始まり、解体作業が進んでいくはずです。鉄骨工事の1番最初の仕事は、実測になります。実測データを、施工図作図者に提供し、協力しながら図面を進めていきます。
実測に入ると、いろいろな問題が出てきます。設計図の吊元の位置に干渉物がいるや、既存躯体の設計図が実際は違うなど、納まりによっては設計図通りに施工できない個所が多数出てきます。それらの解決策をGCと協力しながら施工案や質疑を盛り込み、設計承認を取っていきます。しかしながら、この承認が非常に難しい問題となります。なぜなら、現場現況に応じて図面を修正していくため、照らし合わせられる図面が無いからです。ゆえに、「提出図の承認を、どうやって行えと言うのか?」と、いう話になります。
この問題を解決しないと、鉄骨工事が先に進みません。どうやって解決していくかというと、先のコラムで書きました、鉄骨専用3Dキャドの3Dデータを使い、提出施工図で鉄骨を製作すると「こうなります」と、設計者の方に実際に見てもらい、設計意図との相違が無いかを確認していき、竣工時に竣工図を提出することを条件に、工事を進めさせてもらうお願いをしるしかないかと思います。
ここまでのやり取りで、物件の大小問わず、3カ月程度は掛かるかと思います。解体工事が終わるまでには、上記の作業を終わらせておかなければ、工期に影響が出てきます。なぜなら、解体工事完了後に、本格的な現場実測が可能になるからです。
ここから、現場実測~原寸・加工図~工場加工~運搬~取付~現場鍛冶調整までをラップさせながら現場を進めて行き、鉄骨工事完了を目指します。以上が、鉄骨工事のながれになります。



