テーマ3:仮設計画はどれがいい?

田中慎一

田中慎一

テーマ:特定天井

 特定天井の工事で、準構造化が必要な場合は、劇場や音楽ホールが多くなるかと思います。実際に現場が始まる前に、いろいろな計画をするのですが、その中でも重要なのが、仮設計画になるかと思います。設計図の中に、仮設計画図が含まれている場合もありますが、実際に施工するとなった場合には、どういった計画が良いのかについて書いていきたいと思います。
 
 なぜに仮設計画が重要なのかというと、この手の工事、まずは既存の下地の解体をする必要があります。既存解体が終わると、新設する準構造材の吊り部材を取付けるために、既存の梁まで取付に行く必要があります。その後、仕上がり面の部材を付けたり、内装工事をするために、仕上がり面の下に作業床がある必要があります。足場が上がったり下がったりしないと、工事が完成しない仮設計画となってしまいます。多くの設計図書の仮設計画では、作業工程順に足場を上げたり刈ったりする計画となっているかと思います。しかし、これに非常に手間が掛かります。
 
 弊社が経験した工事の中で、やりやすかった順の仮設計画を記載していきたいと思います。
 1.天井仕上がり面以下で、全面ステージを組み、その上に足場を組み立てる。
 2.天井仕上がり面以下で、全面ステージを組み、その上に高所作業車を上げ作業する。
 3.足場を盛り替えながら作業する。

 上記の順番になります。ある程度の高さで全面ステージを組み、そのうえで仮設計画をするのがおすすめです。
これには、何点かのメリットも出てきます。
 ・複数業者の資材を、ステージ上で保管できる。
 ・ステージ上で、簡単な作業は出来る。
 ・ステージ上に、墨出しができる。
 ・荷取開口からの荷取時に、足元が安定する。
 ・などなど

 上記、仮設計画をされる場合に、参考になれば幸いです。
 

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田中慎一
専門家

田中慎一(鍛冶工事業)

田中工業株式会社

30~200t規模の建屋を新築・増築・改修する際の現場鍛冶工事を請け負う。特に、劇場やホールといった特定天井の建造物の耐震化工事を得意とし、日本国内にとどまらず、海外での施工実績も持つ。

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