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「ダンスはすべてを平等にする」を理念に、多彩なクラスで多様な人たちを迎え入れてレッスン

地域に根差し、子どもの挑戦する力を育むダンス指導者

疋田博美

疋田博美 ひきたひろみ

#chapter1

月間250クラス以上を展開し、障害や特性がある人たちのクラスも開催

 「Dance equalizes all(ダンスはすべてを平等にする)」を理念に、墨田区東向島でダンススタジオ「Studio SD.S」を主宰する疋田博美さん。年齢や経験を問わず、幼児から大人まで幅広い層が通っています。

 「誰もがダンスを楽しみ、自分らしく輝くお手伝いをしたいと思っています。心が赴くままに選べるように多彩なクラスを開いています」

 子どもたちの自主性を何より大切にし、「やりたい」という声を応援。バレエやジャズ、ヒップホップ、ブレイキン、JazzHiphop K-POP、freestyleをはじめ、基礎体力を養う体操、運動クラブなど、月間250クラス以上を展開しています。

 東京YMCA社会体育専門学校で、幼児や障害者の体育指導を学んだ疋田さん。「ダンスに障害はない!ダンスは誰にでもできる!」をモットーに、多様な人に向けたインクルーシブクラス「YELL(エール)」も開講しています。

 「私どもは2002年から、ダウン症、自閉症、発達特性や知的障害などがある方を迎え入れ、現在は約50名が在籍しています。東京都障害者ダンス大会『ドレミファダンスコンサート』にも10年連続で出演し、遠方の教室から指導方法について相談を受けることもあります」

 男の子のための「ボーイズクラス」を開催しているのも特徴。成長とともに女の子が多い場になじめず、ダンスを辞めてしまうケースもあることからスタートしました。

 「一般的にダンススタジオは女子が多い傾向があるのですが、当方の比率は女子6:男子4ほど。性別や障害の有無にかかわらず、『踊りたい』という願いをかなえる環境を整えています」

#chapter2

子どもたちが安心して過ごせる「地域の居場所」として15時から開放

 札幌市で、3歳からバレエを始めた疋田さん。テレビなどで、アイドルやバックダンサーがステージで華麗に舞うのを見て刺激を受け、「東京ならいろんなダンスを学べるはず」と上京。専門学校に通いながらジャズダンスに打ち込み、本業として極めたいと思うようになりました。

 「卒業後はエアロビクスのインストラクターとして働きながら資金を貯め、24歳でニューヨークへ渡り、世界的ダンスカンパニーのアルヴィン・エイリー舞踊団で学びました。さらに表現力を高めたいと、スペインでフラメンコも学びました。やりたいことがあれば口に出すことでまわりの人が助けてくれて実現し、一人一人の挑戦をサポートする原点となりました」

 帰国後は声をかけられたスポーツジムに勤務。アドバイザーとしてスタジオ運営や人材管理に携わり、1999年に念願のスタジオをオープン。以来、時代の変化に柔軟に対応しながら歩んできました。

 「近年は共働き家庭が増え、公園などの遊び場も減少しています。子どもが安心して過ごせる場所になればと、15時から学校や学童帰りのお子さんを受け入れています。レッスン前に宿題を済ませたり、保護者が来るまで休憩スペースでおしゃべりしたり。ダンスを習う場所であると同時に『地域の居場所』として役割を果たしたいと考えています」

 今日まで続けてこられたのは「皆さまのご縁のおかげ」と語る疋田さん。恩返しとして、地域の人が集うコミュニティーづくりにも尽力しています。

#chapter3

複数のクラスを自由に受講できる「受け放題プラン」で挑戦を後押し

 子どもたちの「やってみたい」を後押しする疋田さん。好奇心や可能性を引き出す工夫を随所に凝らしています。

 「通っているうちに『あのステップも面白そう』と思っても、費用がかさむと気軽に始めるのは難しくなります。興味のあることにはチャレンジしてほしいので、週3回以上レッスンを受ければ元が取れる『受け放題プラン』を用意しました」

 複数のクラスを自由に受講できる仕組みは、現在100人近い生徒が利用する人気プランに。「家族が帰ってくる時間までレッスンを受けて待ちたい」というニーズにも応えることができ、保護者にも好評だそう。

 「一つのジャンルに限定すると、自分に合わなかったときに『向いていないんだ』と踊ること自体を諦めてしまうのは、あまりにももったいないことです。焦らず、さまざまな選択肢の中から好きなことを見つけ、自分の才能と出会ってほしいですね」

 日々の努力の成果を披露する機会も創出。2年ごとに主催するスタジオの発表会以外にも、地元のお祭りなどのイベントに参加し、会場を盛り上げてきました。2026年には、墨田の街をダンスで活性化することを目的に、地域のダンス団体と「SUMIDA DANCE CROSSING」の立ち上げに参加ました。

 「何を選び、どんな未来を切り開いていくかは本人次第。私はきっかけをつくる人間でありたいんです。SD.Sで『新しい技を覚えた』『夢ができた』など小さな変化でもいいので、何かプラスの要素を持ち帰ってもらえたらうれしいなと思います」

(取材年月:2026年7月)

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専門家プロフィール

疋田博美

地域に根差し、子どもの挑戦する力を育むダンス指導者

疋田博美プロ

ダンススタジオ経営

株式会社SD.S

月間250クラスを展開し、一人一人の「やりたい」を尊重する地域密着型ダンススタジオ。インクルーシブな取り組みや居場所づくりにも力を入れ、子どもがのびのびと学び、挑戦できる環境を整えています。

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