展示会の企画から運営まで一貫して伴走する専門家
高橋英信
Mybestpro Interview
展示会の企画から運営まで一貫して伴走する専門家
高橋英信
#chapter1
展示会場に並ぶブースは、小さな机一つから、大きなLEDパネルを使った本格的なものまでさまざまです。そうした出展を準備段階から支えているのが、「wocasi(ヲカシ)」代表取締役の高橋英信さんです。ブースデザインや施工、人員手配、当日の運営、撤収まで一気通貫で担います。
「WEBだけでなく、実際にお客さまと会って、その場で説明できる展示会には大きな意味があります。人と人との関係でビジネスは動くと感じます」
初出展では、事務局から届く案内に聞き慣れない用語が並び、何をいつまでに準備すればよいか戸惑う担当者もいます。高橋さんは提出物や期日を整理し、装飾物の制作や現場スタッフの手配にも対応。企業の展示会担当者のような立場で実務に入り込みます。
学生時代からイベントの現場に関わり、約10年にわたって経験と人脈を積み重ねてきた高橋さん。会期中もできるだけ現場へ足を運び、スタッフの所感を聞き、来場者への声の掛け方や案内方法など、気づいた点をその場で伝えます。
「説明員の言い方一つでも反応は変わります。現場を見ているからこそ、改善点に気づけることがあります」
通年で依頼を受ける場合は、予算案から関わり、出展する展示会も一緒に検討。商談獲得なのか認知向上なのか、目的を整理したうえで、予算にも配慮しながら運営方法を組み立てます。誰に何を届けるのかを見極め、企業と来場者の接点づくりを支えています。
#chapter2
人と関わりながら何かをつくり上げることへの興味は、学生時代から高橋さんの中にありました。東北大学で言語学を学びながら英語劇の部活動に所属し、演者だけでなく制作や演出、宣伝、関連イベントの企画にも携わりました。卒業後は俳優を目指して上京。働きながらオーディションを受け、舞台に立つ一方、ゼロからアイドルグループを立ち上げ、WEB広告やホームページ制作、動画編集などのスキルも身につけました。
俳優業と両立できる仕事として始めたのが、イベントや展示会設営のアルバイトでした。働きぶりを見たイベント会社の社員から、より上流の仕事にも携われると勧められたことが転機となり、個人事業主として展示会出展の支援を開始。実務を重ねながら仕事の幅を広げ、2025年に法人化しました。
「人が集まって居場所ができることに喜びを感じるんです。もっと人と人をつなぐ場をつくりたいと思って続けてきた先に、今の仕事があります」
掲げる理念は「確かな知性と豊かな感性で本質を見極め、いとをかしな世界を創る」。「をかし」には趣や面白みといった意味があります。AIが身近になる時代だからこそ、人が感じ、考え、相手と向き合う価値を大切にしたいと話します。
「感情を持ってやりとりしながら、しっかり考える。その両方がある場が展示会だと思っています。人の判断や関係性が生きる仕事だからこそ、自分がやる意味を感じます」
現場で培ってきた感覚と、相手の意図をくみ取って形にする力。その積み重ねが、高橋さんならではの展示会支援につながっています。
#chapter3
展示会支援とは異なる分野にも、高橋さんは取り組みを広げています。その一つが、学習塾向けに立ち上げた「おやサポルーム」です。塾に通う子どもの保護者が、公認心理師やスクールカウンセラーなどの専門家にオンラインで相談できるサービスで、塾が契約し、保護者へ案内する仕組みです。
着目したのは、子どもの成績や進路をめぐる保護者の悩みでした。塾への要望として表れていても、話を聞くと、背景には保護者自身の焦りや疲れがある場合もあります。一方、塾の先生には授業や進路指導があり、保護者の気持ちまで継続的に受け止めるのは難しいのが現実です。
「先生方は勉強を教えることの専門家です。そこに保護者対応まで求められると負担が大きくなります。役割を分けることで、先生には指導に集中してもらいたいと考えました」
相談内容は塾側には共有されず、保護者は塾との関係を気にせず利用できます。高橋さんは、実務に携わる有資格者を集め、相談を受ける体制を整えました。塾にとっては、新たに専門職を雇用せずに、保護者を支援する体制を整えられる点も特徴です。
「保護者の気持ちが整理されれば、子どもへの接し方が変わることもあると思います。塾も保護者対応に追われすぎず、本来の役割に力を注げる。そうした環境をつくりたいですね」
展示会では企業と来場者の接点を整え、教育分野では塾と家庭がそれぞれの役割を果たしやすい環境を考える。分野は違っても、高橋さんが見つめているのは、人の間にある課題をほどき、関係が前に進む仕組みをつくることです。
(取材年月:2026年8月)
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Profile
展示会の企画から運営まで一貫して伴走する専門家
高橋英信プロ
展示会出展支援
株式会社wocasi
約10年の現場経験をもとに、ブースの設計・施工に加え、案内員への声掛けや来場者対応の改善まで支援。必要に応じて会期中の現場にも入り、スタッフと連携しながら、企業の目的に沿った展示会運営を支えます。
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