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労務制度の理解と運用をサポート。「社外人事部」的立場で企業と社員の諸問題を解決

企業の「社外人事部」として労務問題を解決する社会保険労務士

森田涼子

社会保険労務士オフィスもりたの森田涼子
企業内で起きるあらゆる人事・労務問題を早期に解決へ導く「社外人事部」

#chapter1

企業内で起きるあらゆる人事・労務問題を早期に解決へ導く「社外人事部」

 企業を構成するのが人である以上、企業内の「人と企業」「人と人」に関するトラブルを未然に防ぐことは重要になります。また問題が発生した場合でも、裁判になる前に早期に専門家に相談することは必要です。企業と足並みをそろえ、人事、労務に関する手続き、相談を担う労務制度の専門家が、社会保険労務士です。

 「中小企業の経営者や人事担当者は、職務を兼務しています。そのため労務制度を網羅することは困難で、毎月行う給与計算や社会保険の計算が、労務制度に沿ったものかどうか、理解していない事例が多々有ります」と語る、「社会保険労務士オフィスもりた」代表の森田涼子さん。企業の「社外人事部」として、人事にまつわる相談・解決だけでなく、給与計算などの代行、各種手続き代行など、痒いところに手が届くサービスで経営をサポートしています。

 例えば、残業計算で、どこから残業代を加算するかの基準を誤解しているケースや、社会保険料改定に伴って、企業が労使折半分を余計に負担するケースなどもよくあるそうです。これは、法律を正しく知らないがために起きる事例です。「正しく知ってもらって、企業、社員が過不足なく利益を得て、Win Winな関係でいられるようにすることが仕事」と森田さんは話します。労務の専門家であるからこそ、企業内のあらゆるトラブルが起きた時、どの法律家よりも先に相談することで、当事者の痛みを最小限に留めつつ、早期解決へと導くことができます。

#chapter2

「就業規則」は労務問題から企業を守る唯一のもの。企業に合った内容に変更・作成を

 企業の憲法とも言える「就業規則」。実は、労務問題に関して企業を守る唯一のものです。一般に、人事・労務問題では、個人である労働者が、企業より不利益を被る印象があります。しかし、現実として労働者を守る法律はいくつもあります。ところが、企業を守る法律はなく、唯一存在するのが就業規則だと森田さんは指摘します。「20年以上前の就業規則をそのまま使っている企業もあります。当時と法律も変わり、企業を取り巻く環境も変わっていますので、現状に沿った、今後を見据えた内容に変えていく必要があります」。服務規程や懲戒ルールを就業規則に定めることで、元社員から不当に訴えられることを防げます。また、仮に訴えが起きても、それを突っぱねる強制力が就業規則にはあります。

 労務紛争を未然に防ぐためにも、企業と社員の関係を良好にするためにも、就業規則を見直すことは重要です。就業規則作成は、常に「企業・社員のWin Winな関係」を目指す森田さんの得意とするところでもあり、現場経験の豊富さは、業種を超えて多様な企業に柔軟に対応する力でもあります。

 「就業規則の中に、経営者の想いをはっきりと、言葉で、解りやすく社員に伝えることが、会社の風通しを良くする」と森田さんは提唱してます。そのため、文面が難しくなりがちな就業規則ですが、シンプルな表現を心掛けているそうです。それは、常に目の前のクライアントと「本音を言い合える関係」を作ることを信条とし、無理・無駄のない合理的な仕事の中にも、人としての温かみを大切にする森田さんの姿勢そのものでもあります。

「就業規則」は労務問題から企業を守る唯一のもの。企業に合った内容に変更・作成を

#chapter3

労務問題も年金も「知ること」から。知ると知らないとでは人生までも変わる

 森田さんは、企業への活動とは別に、年金に関する相談・研修・学校教育なども行っています。2013年から、年に4回、葛飾区主催の年金セミナー講師も務めていて、加えて、年金事務所などからも依頼があるそうです。このセミナーは、年金受給者が対象者ではなく、年金受給前の50歳代向けとなっていて、年金についてわかりやすく解説しています。

 かつて、大手企業の人事部だった頃、確定拠出年金制度の導入を担当します。本社だけでも3000人の大所帯であるにも関わらず、末端の社員までも制度の理解を得るために、50人ずつのきめ細かい研修を70回繰り返しました。「せっかく導入するのなら、理解して運用して欲しい。会社が大きな経費を掛けるのだから、しっかり社員に還元したい。だからこそ、知って欲しかった」と当時を振り返ります。その時に得た「理解してもらえる嬉しさ」は、年金問題だけに限らず常に「分かりやすく伝える」を念頭に置く森田さんの出発点にもなっています。

 また、年金制度は子供の頃から知っておくべきもの、と指摘します。なぜなら、私達は年齢に関係なく、いつどこで年金を受給することになるか、分かららないからです。だからこそ、20歳から支払う国民年金を「納得して払ってもらいたい」との想いがあります。そして、教育現場の小・中・高校で年金授業も受け持ち、年金制度を知ってもらう機会を増やす活動を積極的にしています。

 企業の人事・労務をメインに、個人の年金、学校教育と、森田さんは常に相手目線で問題を捉え、早期解決を心掛けています。そして、顧問契約する企業とは「一生のお付き合い」との心構えで業務に携わっています。

(取材年月:2015年1月)

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