騒音計の指示値と測定値は違う
インターネットを検索すると、様々な規制基準が紹介されています。
地域によって基準値が異なっていたり、環境基準や条例でも異なっていたりします。
一体どの基準が正解なのでしょうか。
規制基準は屋外騒音が対象
具体的には騒音の発生元となる音源の存する敷地と隣地の境界線における基準となります。
つまり、道路騒音であれば道路と隣地の境界線上、工場騒音であれば工場と隣地の境界線上での基準値なのです。
では、室内騒音の基準値はどのように考えればよいのでしょうか。
室内騒音に係る規制基準
環境省の『騒音の評価手法等の在り方について』では、騒音影響に関する室内騒音について、以下の指針値を設定しています。
① 睡眠影響
音の発生が不規則・不安定な騒音に対し睡眠影響を生じさせない為には、室内で 35dB以下である事が望ましいとしています。 また、道路騒音などのように、騒音レベルが連続的で安定している場合は、 40dB 以下であれば睡眠影響を適切に防止できるとしています。
② 会話影響
1mの距離でくつろいだ状態で話し、明瞭な会話了解度を確保する為には、室内で 45dB 以下である事が望ましいとしています。
つまり、昼間(6時~22時)は明瞭な会話了解度を確保する為に必要な 45dB 以下、夜間(22時~6時)は一般地域は 35dB 以下、道路に面した地域であっても 40dB 以下に保つことで睡眠影響を防止できるとしています。
この基準は地域に関係なく適用されます。
では、幹線道路のような交通量の多い道路の場合は、どう考えればよいのでしょうか。
環境基準における幹線道路の道路騒音基準値は、特例として昼間 70dB 以下、夜間 65dB 以下となっていますが、備考として以下の文章が付記されています。
個別の住居等において騒音の影響を受けやすい面の窓を主として閉めた生活が営まれていると認められるときは、屋内へ透過する騒音に係る基準(昼間にあっては45デシベル以下、夜間にあっては40デシベル以下)によることができる。
つまり、道路騒音に関しては交通量に関係なく、昼間 45dB 以下・夜間 40dB 以下が基準となります。
この室内騒音指針値は様々な場面で用いられています。
例えばマンションや学校・病院・ホテル等を建設する際の室内騒音目標値として採用されていたり、騒音トラブルの際の受忍限度の参考として用いられる場合もあります。
ただし、この基準は航空機騒音・鉄道騒音・船舶・建設作業騒音には適用されません。 また、環境基準や騒音規制法(条例)における室内騒音の基準は外部からの透過音を対象としていますので、同一建物内部における各住戸間の騒音は対象外となります。