騒音計の指示値と測定値は違う
今回はスマートフォンの騒音計アプリについてお話します。
スマートフォンには様々な騒音計アプリが用意されています。
アプリ自体はとても優秀で、簡単に扱えるものから、周波数分析を行える高機能なものまでありますが、スマートフォンと騒音計アプリは少々相性が悪いように思います。
当然ですが、スマートフォンは電話なので、明瞭な音声を届けることが本来の目的です。
どんなに騒々しい環境でも、人の声だけを拾えるマイクロホンが、スマートフォンにとっての優秀なマイクロホンといえます。
これに対し、騒音計のマイクロホンに必要なのは、原音に忠実なフラットな特性のマイクロホンです。 もし仮にスマートフォンのマイクロホンがフラットな特性であったとしたら、周囲の騒音に音声はかき消されてしまうでしょう。
また、同じアプリであっても使っているスマートフォンが違えば、マイクなどの違いにより指示値が異なることは当然です。
一つの条件では正確であっても、条件が違えば指示値が変わる可能性があります。 このような特性のあるアプリに対し、「正確であるか否か」を評価することはできません。
しかしながら、これらの特性を理解した上で、個人の趣味として利用するには、とても便利なものです。 たとえば、何かの騒音対策を行う際のビフォーアフターとしてのレベル差を見るとか。 また、一定周期で騒音レベルを観測して、騒音の変化をグラフにするとか。
騒音レベルだけではなく、周波数の変化などを気軽に確認できるのは、スマートフォンアプリの特徴ともいえます。