騒音計の指示値と測定値は違う
前回のコラムで環境基準の話が出たので、今回は環境基準の考え方について解説します。
環境基準については、環境省のウェブサイトで詳しい説明があります。
環境省【環境基準について】
このページの冒頭に、以下の記述があります。
環境基準は、「維持されることが望ましい基準」であり、行政上の政策目標である。
この一文が、環境基準の全てを表しています。
騒音に係る環境基準は、環境省が地域ごとに昼間と夜間に区分して定めています。
行政機関は基準達成状況を監視しますが、基準超過による罰則はありません。
環境基準値を超過した場合には、騒音の類型ごとに以下の達成期間が定められています。
騒音の類型 | 達成期間(詳しくは類型ごとの環境省ウェブサイトをご覧ください) |
---|---|
騒音 | 施行後10年以内を目途 |
航空機騒音 | 10年をこえる期間内に可及的速やかに(既設第一空港) |
新幹線鉄道騒音 | 3~10年以内(既設) |
以上のように、環境基準は、政府が定めた行政上の施策目標であり、私たち一般国民が基準値を用いて騒音を評価したり、規制したりするものではありません。
しかしながら、環境基準は、私たちが快適な生活環境を維持していくために、重要な役割を果たしています。
環境基準を理解し、一人一人が環境問題に関心を持つ事こそ、環境基準の役割と言えるのかもしれません。