騒音計の指示値と測定値は違う
今回は簡易騒音計に対する総評を行いたいと思います。
最初に結論から言いますと、簡易的な騒音計として、おすすめできる商品だと思います。
余計な機能が無いので、騒音測定が初めての方でも簡単に扱えますし、コンパクトで堅牢なので、バッグやポケットに放り込んで、いつでも測定できます。
精度については、測定する対象によると思います。
向いている測定対象の例を挙げると、
・道路騒音
・工場騒音
・自動車やバイクの排気音
・犬の鳴き声や人の騒ぎ声
・どたばたと響くうるさい足音
この様な大きな音に対しては、比較的高い精度で測定できると思います。
対して、向いていないと思われる測定対象は、
・室内で聞こえる道路騒音
・エアコン・空気清浄器などの家電製品の音
・防音室から漏れる音の調査
・隣室から漏れ聞こえるテレビの音
・就寝時に感じる不明音
この様に概ね 50dB を下回るような音は、誤差が大きくなるので向いていません。
専門家の所感としては、今回の企画で初めて特定計量器ではない騒音計に触ってみて、騒音計としての完成度の高さに驚きました。
確かにレベル帯によっては精度に不満はありますが、そもそも、この簡易騒音計は 3千円台です。 対して、今回比較した普通騒音計と精密騒音計は、合わせて 60万円以上もします。
この価格差を考えると、この程度の誤差は当たり前にも感じます。 しかも、高レベル帯では誤差が極めて小さいのですから、測定対象によっては全く問題ないのです。
今回はいろいろと厳しい実験をしてしまいましたが、これによって騒音計の癖を知る事が出来たので、以前よりも信頼性は増したような気がします。
手にすっぽり収まるコンパクトで丸っこいボディと相まって、すっかりお気に入りの騒音計になりました。
※今回の騒音計に対する記事は個体差によるものかもしれませんので、この記事を読んで騒音計の購入をお考えの方は自己責任でお願いいたします。