騒音計の指示値と測定値は違う
騒音計をいろいろ触ってみましたので、商品レビュー的なものを書いてみたいと思います。
購入時の商品ページには書いてありませんでしたが、テスト用の乾電池が付属していました。
単4電池3本で動作するのは、電池が調達しやすくて良いなと思います。
電池を入れるときに気が付いたのですが、三脚固定用のネジ穴がありません。 簡易騒音計なので手持ちで使う事が多いという事なのでしょうか。
手持ちは手軽に測定できるという点では良いのですが、測定者の動きや衣服が発する音、呼吸音などが騒音計に伝わりやすくなります。 特に静かな環境では、かなり気を遣わなければなりません。 また、騒音レベルの記録をとる場合は、両手を空けられる三脚のほうが便利です。
スマホホルダーが使えるかと思ったのですが形状的に難しそうです。
いきなりですが、三脚固定用のネジ穴がないのはマイナスポイントかなと感じました。
気を取り直して、さっそく触っていきたいと思います。
大きさは手にすっぽり入る感じで、女性やお子様でも使いやすそうです。
普通騒音計(計量法第71条)と大きさの比較をするとこんな感じ。
97グラムと非常に軽いのですが、作りがしっかりしているので、おもちゃっぽさは感じません。
起動は一瞬で、電源ボタンを押した瞬間に起動しました。
ボタンはゴムのようなぐにっとした感触で、押し込んだ先にスイッチがある感じです。 しっかり押し込まないと反応しないのですが、誤操作防止になるので安心感はあります。
この測定器には電源ボタンの他に「HOLD」「MAX・MIN」「FAST・SLOW」の3つのボタンがあります。
「HOLD」は、ボタンを押したタイミングで測定値(表示値)が固定される機能です。 変動する騒音レベルを読み取る際に便利な機能なのかなと思います。 ただ、押した瞬間のレベルが固定されるので、ボタンを押すタイミングが難しそうです。
「MAX・MIN」は、ボタンを押してから現在までの最大値及び最小値が表示されます。 衝撃音などの測定には便利な機能ですが、注意しなければならないのは、大きなレベルが発生するたびに表示値が更新されるので、前回のレベルは消去されてしまうという事です。 たとえば、1回目60dB、2回目61dB、3回目58dBの衝撃音があったとすると、表示されるのは2回目の61dBで、1回目と3回目のレベルは表示されません。 衝撃音毎のレベルを確認するには、衝撃音の発生毎に機能の有効・無効を繰り返さなければならないのですが、無効にするときはボタンの長押しが必要なので、これを繰り返し行うのは大変そうです。 衝撃音の発生頻度によっては使い方が難しい機能だなと思いました。
「FAST・SLOW」は、騒音計の動特性の変更が出来ます。 一般的な騒音は「FAST」で測定するので、「SLOW」に設定する必要は無いのかな思います。 間違って衝撃音などを「SLOW」で測定してしまうと、レベルが低く表示されるので注意が必要です。 設定を切り替えると液晶に表示されるのですが、非常に小さな文字なので見落とさないか心配です。 ただ、安全機能があって、起動の度に「FAST」になるのは親切だなと感じました。(SLOWは環境基準における航空機騒音・鉄道騒音の評価に用います)
騒音計の説明は以上になります。
三脚固定用のネジ穴がない事が気になりましたが、それ以外はとても丁寧に作られた製品だなと感じました。
次回はいよいよ精度について調べてみたいと思います。